阪神外国人選手列伝 04年 26試合で12死球のキンケード 開幕戦では暴言退場も

 阪神は2020年、球団史上最多となる外国人選手8人体制でV奪回に挑む。球団創設85周年のメモリアルイヤー。かつてタテジマのユニホームに袖を通した助っ人を年度別で振り返る。優勝翌年の2004年はキンケード、モレル、シーズン途中にマイヤーズ、ホッジスが加入した。

 キンケードは死球の多さでファンの記憶に名を残した。わずか26試合の出場で12死球。来日時はグラブを8個持参。「ショート、セカンドを除いてすべて持ってきた」。本職の外野用に加えて、一、三塁、捕手用、それぞれスペアも持ち込み、「毎日、グラウンドに出て一生懸命プレーしてチームの勝利に貢献する」と意気込んだ。

 キャンプから死球は心配されていた。ベース近くに構え、岡田監督から「これからバンバン内角を攻められるぞ。あれだけリーチがあれば外の球も届く」と指摘された。だが本人は「今までいっぱい当たっているからね。(死球対策は)考えていないよ」と言った。

 4月2日、巨人との開幕戦では見逃し三振に倒れた際、球審に暴言を吐き、退場処分を受けた。開幕戦の退場劇は史上2人目。3打数無安打1死球2三振と結果も出ず、「国が違えば当然ストライクゾーンも違う。もう2度とこんなことはしない」と猛省した。

 同6日・横浜戦では左腕に投球を受けた。これで4試合連続死球だが「痛みもないし。大丈夫」と平然。同9日・中日戦では頭部死球で病院に直行した。4月21日・中日戦では山本昌の直球が右膝に当たった。球審は「わざと膝を出した」と認めず、「幻の死球」の見出しが躍った。

 5月11日・巨人戦の9試合ぶり死球によって左手薬指を骨折し、長期離脱。復帰直後の8月11日には守備で右膝裏を痛めた。死球など2度の故障により、26試合、打率・233、3本塁打、7打点、12死球と不本意な結果に終わり、「イライラするシーズンだった。1年を通してケガをせずにプレーできればよかった」と悔やんだ。本塁打を打った際は全力疾走し、“キンちゃん走り”と呼ばれた。

 前年台湾でセーブ王に輝いたモレルは「日本シリーズに出場して勝つこと」を目標に掲げたが、21試合登板、0勝1敗、1セーブ、防御率3・67。シーズン途中に加入したマイヤーズは「バットをへし折るようなピッチングをする」と意気込んだが、20試合登板、1勝2敗、防御率4・07で解雇となっている。

 7月に加入したホッジスはヤクルトでプレーしたケビンの弟。七夕の短冊に「優勝するぞ!」と熱い思いを記した。先発で期待されたが、8試合、2勝3敗、防御率5・31。岡田監督1年目は4位でリーグ連覇を逃した。

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