阪神・矢野監督 おうち時間で日本一リハ 優勝インタビュー予行演習で感極まった

 阪神・矢野燿大監督(51)が16日、初めてオンラインでの取材に応じた。約40分に及んだ報道陣とのやりとりでは、改めて今季の日本一を宣言し、優勝インタビューの予行演習を行ったことを明言。コロナ禍の影響で試合数が減ることが予想される今シーズン、一戦必勝の戦い方で臨む方針を検討しており、「矢野ガッツ」を連発してチャンピオンフラッグをつかみ取る。

 画面越しの表情や声のトーンは終始、明るかった。約1カ月ぶりに取材に応じた矢野監督は活動自粛期間で、目標達成への意欲を高めていた。以前から「2020年は日本一になると決めている」と公言。自宅で優勝インタビューの予行演習まで実行していた。

 インタビュアー役の友人が「監督、日本一おめでとうございます!」と問いかけ、矢野監督は「ありがとうございます!」と力強く返答。満員のスタンドに手を振り、大歓声で祝福される-。イメージを膨らませ、球場の情景を脳裏に描くと、感極まったという。

 「何かこうジーンと来るのよ、自分の中で。涙が出るというか。選手たちがチャンピオンフラッグを持って、ライトスタンドのところでファンの大きな声援をもらいながら歩いている姿を、俺が一番後ろで見ている。というのをリアルに感じていくとジーンと来る」

 実行したのは最近だという。新型コロナウイルスの感染拡大は収まりつつあるが、「油断はまだできない」と指揮官。それでも最短で6月19日の開幕が見えてきたことが、ポジティブな行動へとつながった。

 次のステップへ準備を進めており、午前中には谷本球団本部長らと今後についてミーティング。拠点を置く兵庫県は緊急事態宣言が発令されていることもあり、選手だけでの自主練習にとどめているが、今後は強度を上げていく方針。近日中には矢野監督やコーチが練習視察を開始するとみられる。

 試合数が削減されるシーズンの戦い方にも言及。「俺個人としては、目の前の試合に全力でいいんちゃうかなというのがあって。そういうチームが格好ええというか、そんな姿を見せたいという勝手な思いがあって。行くだけ行ってまうというか」。一戦必勝でエネルギーが尽きるまでエンジン全開で突っ走る。そんな私案を披露するなど、開幕へ向けて気合も十分だ。

 「意気込みですか?やる気満々ですよ!」と話すと、パソコン画面の前で「矢野ガッツ」を繰り出した。「2020年も矢野ガッツやりまくりまーす!」。1985年以来の日本一で、新型コロナ禍による閉塞(へいそく)感を吹き飛ばす。

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