阪神・原口、V再現する 映像で目に焼き付けた03年の歓喜「あの興奮味わいたい」

 阪神の原口文仁捕手(28)が29日、18年ぶりのリーグ優勝に関西中が狂喜乱舞した2003年シーズンの再現を誓った。甲子園球場での自主練習後、オンライン取材に対応。3週間の活動休止期間には、同年の優勝を決めた9月15日の広島戦の映像を見た。「僕もあの興奮を味わいたい」。究極のイメージトレーニングで、15年ぶりの頂点を目指す。2、3面にも阪神記事

 1年前。大腸がんの手術から、驚異的で劇的な復活を遂げた。度重なるケガでの育成契約を経て、クビ寸前からはい上がってきた過去もある。新型コロナウイルスが猛威を振るう状況下でも、原口はどこまでも前向きだった。日々に感謝し、プラスに捉えている。

 「人それぞれ気持ちの持ちようで、どうなっていくかが変わる。すごくいいレベルアップの期間。技術が磨ける時間だと思います」

 昨年のこの時期はまだ、リハビリ過程だった。2年続けて4月に野球ができない。それでも約3週間の自宅待機期間は、試行錯誤しながら体調維持に努めた。ランニングや体幹トレーニングに加え、以前から行っているヨガでリフレッシュ。さらに過去のプロ野球名シーンを映像で見た。

 歴代のダイジェスト映像や、WBCでの侍ジャパンの活躍。中でも心に残ったのは、2003年に阪神が18年ぶりに優勝した日の試合だ。甲子園球場で開催された9月15日の広島戦。デーゲームを赤星のサヨナラ打で制し、ヤクルトの敗戦を待って歓喜の胴上げ。目に焼き付けたのは、スタンドの光景だった。

 「あれだけの大観衆の中で野球ができる。すごいことだし、ありがたいこと。本当に歓声というのは、選手にとって励みになる。自分もあの興奮を味わってみたいと思います」

 オープン戦途中から無観客開催となり、まだ見えぬ開幕後も当面は無観客開催が濃厚だ。秋の美酒はファンとともに。究極のイメージトレーニングと並行して、技術練習では「もう一度、力強い打球を打つ」ことがテーマ。スイングを見つめ直すなど、自分自身と向き合っている。

 幾多の苦難を乗り越えた男は、ファンに向けて約束する。開幕ダッシュから15年ぶりのリーグ優勝を。今も語り継がれる2003年の再現だ。「僕たちも一生懸命、最高のスタートが切れるように準備しています。開幕した時には思い切り楽しめるように、もう少しだけ待っていてほしいですね」。さらなるパワーアップに励み、来るべき戦いに備えていく。

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