阪神・藤浪復活のカギは技術じゃなく心 中田良弘氏が愛のゲキ
阪神は4日、甲子園で予定されていた広島とのオープン戦が雨天中止となった。この日、先発予定だった藤浪晋太郎投手(25)に向け、デイリースポーツ評論家・中田良弘氏(60)が完全復活への方策を提言。完璧な投球を追い求めるあまり、自分自身を苦しめていると指摘した上で、開幕ローテ入りへ“開き直り”のススメを説いた。
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開幕ローテ構想が固まりつつあるけど、俺はやっぱり藤浪に入ってもらいたい。春季キャンプでも見たけど、ブルペンで投げてるボールは『すごい』のひと言。あの『勝てる』ボールを使わない手はないと思う。
昨年未勝利に終わった要因のひとつとして、藤浪は完璧を求めすぎてるんじゃないかと思う。自分に対してもそうだし、一球一球に対しても。そりゃ、抜けるボールなんか、誰にでもあることだよ。その原因を細かく突き詰めすぎて、逆に自分を苦しめているように見えるんだよね。
藤浪って元々、荒れ球が持ち味にあって、球威で打ち取っていくタイプじゃん。ストライクゾーンだけじゃなくて、もう少し大きい枠が有効活用できる利点があったと思うんだよ。
右打者の内角に球が抜けた時、マウンドで腕の振りを確認するしぐさをするよね。あれって打者に対して『狙ってませんよ』っていう心の弱さを見せてるのと一緒で、ある種の言い訳みたいなもんだと思うんだよ。厳しく言えば、100%で打者に向かい切れてないというね。プロである以上、マウンドであの姿は絶対に見せてはいけない。
2月16日の楽天との練習試合もそうだったけど、最近は相手ベンチが藤浪の時には左打者を並べる傾向が強いじゃない。それってぶつけられることを心配してることもあるけど、右打者の内角にある程度来るってことを相手が必要以上に警戒してくれてるって証拠。藤浪はこれを生かさない手はない。
俺からすれば、藤浪が苦しんできた理由は投球フォームなどの技術的なところではなく、完璧を追い求めすぎたり、きれいに投球したいという心の部分にあるんだと思う。今、欲しいのは開き直り。マウンドに立って自然とこみ上げてくる打者を抑えたいという欲望を100%ぶつけることが、復活の近道だと思う。