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【野球】阪神・西純、及川…「あえて新人選手に技術指導をしない理由」将来のエースへの階段

 昨秋のドラフトで高校生を中心に指名した阪神。育成が主となるため、現状は全員がファームで汗を流している。2日に鳴尾浜で行われた2軍の全体練習ではドラフト1位・西純(創志学園)と同3位・及川(横浜)がコンビを組んで遠投を行っていた。

 もちろん高卒だけにまだ荒削りさが残る。距離が伸びればボールはシュート回転し、ラインから外れることもしばしば。相手に届かないシーンもある。

 1軍で藤川らが糸を引くようなボールを投げているのと比較すれば、まだまだ成長段階だ。原因が投球フォームにあることを2軍の首脳陣も把握している。香田2軍投手コーチに聞くと「及川は左肩が落ちてしまうからね。西純は(トップからリリースまでに)腕と頭が離れるでしょ。そこを馬力でカバーしようとしている。体に力があるんだよね」と分析していることを明かした。

 ただその上で技術指導をするのか?と問うと「実戦に投げるまでは今のままでいいと思っている。別に今すぐ手をつけなきゃ故障してしまうというレベルではないから」と説明した。新人選手の育成は球団本部の方針を基にスカウトからの意見も聞きながら連携して進めていく。現場だけの判断で矯正したりしないようにしている。

 それは過去の失敗を踏まえての方針。プロ野球ではルーキーの入団直後にも関わらず、投球フォームにメスを入れたことで、アマ時代に培ってきたものを見失った。感覚にも狂いが生じ、鳴かず飛ばずのまま戦力外通告を受けたという事例が多々ある。

 特に西純と及川は高校時代から注目を浴びてきた逸材。指導経験豊富な同コーチは「スカウトさんとも連携を取りながらやっていかなきゃいけないと思っているから」と言う。さらに「打たれてみて分かることもあるから。実際に試合でプロのバッターに打たれて、そこから少しずつやっていけばいいと思うよ」と、実戦登板を重ねていく中でじっくり焦らず課題を克服していくという方針を採る。

 指導するのがコーチの仕事であれば、黙って見守るのも指導者の役割。数年後、虎の先発ローテを担うだけのポテンシャルを持っている西純と及川。“エース”という最終目標に到達させるため、今は焦らせることなく、ノビノビとプロの階段を上らせていく。(デイリースポーツ・重松健三)

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