阪神ボーア“来日初H”待ってました!志願3打席目で中前打 守備もええがな

 「練習試合、阪神9-1楽天」(20日、かりゆしホテルズボールパーク宜野座)

 ついに出た。阪神新外国人のジャスティン・ボーア内野手(31)=前エンゼルス=が20日、「4番・一塁」で出場した練習試合・楽天戦で“来日初安打”を放った。志願の第3打席で中前打を記録。実戦3戦目で待望の快音を響かせた。守備でも一塁線の打球を横っ跳びで好捕。攻守で存在感を示した大砲は、ここからさらに状態を上げていく。

 頼りの助っ人から、待望の一撃が生まれた。ボーアが実戦3戦目でようやくスコアボードにともした「H」ランプ。代走を送られて一塁からベンチへ引き揚げる際には、全身に大歓声を浴びた。

 「2打席という話をされていたけど、もう1打席もらった。走者がほしい場面でしっかりシングルヒットを打てたのはよかったよ。すごくいい打席を迎えることができた」

 歓喜の時が訪れたのは先頭で迎えた五回の第3打席だ。当初は2打席で交代する予定だったが、納得がいかず志願。その強い気持ちを持って、釜田が投じたカウント2-1からの138キロ直球を捉えた。鋭い打球は中前へ。6打数連続無安打だった大砲が、ようやくあいさつ代わりの“来日初安打”だ。

 徐々に上昇しつつある打撃。初回の第1打席は無死二、三塁と好機で迎えた。相手先発の石橋に2球で追い込まれたものの、低めの変化球や厳しいボールには手を出さず。フルカウントまで持ち込んだ8球目、外角低めのスライダーに食らいついた。打球は二塁寄りの一ゴロとなり、“来日初打点”もマークした。

 不安視されている一塁の守備でも上昇気配を感じさせる。五回の守りでは鈴木大の一塁線への強い打球をダイビングキャッチ。すぐさま、エドワーズにトスしてアウトにした。「野球は打つだけではない。自分のやることをやっただけ」。泥まみれになるハッスルプレーで仲間を救い、スタンドを沸かせた。

 攻守で存在感を示した助っ人の姿に矢野監督はさらに期待を高める。「当たればどこまで飛ぶんかなっていう魅力っていうのは純粋に俺らも楽しみやし。ファンのみなさんにとってはそんな楽しみなことはない。きょうは守備でも沸かせてくれたし、楽しみな選手が来てくれました」と声を弾ませた。

 試合後には折れたバットにサインを書いてスタンドの少女にプレゼントしたボーア。「野球が愛されたり、発展していくためにも必要なこと」と笑みを浮かべた。紳士的で、何より優しい大砲が、シーズンでも虎党を喜ばせる。

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