阪神・ボーア 150メートル弾!広角14発!ド派手なキャンプイン
「阪神春季キャンプ」(1日、宜野座)
プロ野球12球団の春季キャンプが1日、沖縄・宮崎両県などで始まった。阪神は沖縄県宜野座村でキャンプインし、期待の新助っ人ジャスティン・ボーア内野手(31)=前エンゼルス=がフリー打撃に登場。2度の3連発、推定150メートルの特大弾を含む14本の柵越えをマークし、怪力ぶりをアピールした。逆方向の左中間にもアーチを掛けた4番候補の打撃に、大砲出現を待ち望む矢野燿大監督(51)も目を細めた。
期待を上回るアーチショーに、キャンプ初日からスタンドが大いに沸いた。ランチ特打に注目のボーアが登場。打撃ケージに足を踏み入れた左の大砲に首脳陣の、そしてファンの視線が集中した。
試運転を思わせる軽いスイングから放たれた角度のある打球は、その力感とは裏腹にポンポンと外野の奥深くへ。そして、早くも6球目に左中間フェンスを越えていった。チームの今キャンプ“第1号”となる一発を号砲にショータイムはスタート。立て続けに左方向へ3連発を放つと、にわかにスタンドのファンが色めきだった。
その後も依然として軽いスイングながら、バックスクリーン方向へ、右方向へと次々と大飛球を飛ばすたびに拍手が湧き起こる。再び3連発を放ち、右中間フェンス奥の松林上部に突き刺さる推定150メートルの超特大弾が飛び出すと、やんややんやの大喝采だ。
結局、ボーアはこの日、54スイングで14発の柵越えを披露した。「バットの感触を自分の手で感じたいんだ」とメジャーリーグ在籍時から続けている素手での打撃。「感じは良かったね。イメージ通りの力強いスイングができている。順調に来ている証拠だよ」と、その手に伝わった好感触を笑顔で語った。
注目すべきは14本の柵越えが左方向へ4発、中堅へ4発、右方向へ6発と偏りがないことだ。「外の球は逆方向に打つのが基本。無理に引っ張ってというよりは、しっかり素直に打ち返すことができた」。右方向への特大弾で甲子園特有の浜風を突き破るパワーを披露。さらに浜風を味方にできる逆方向への強い打球を見せつけたのだから実に頼もしい。
甲子園のラッキーゾーンが撤廃された1992年以降、シーズン40発超えを果たした打者は左打ちの金本とブラゼルしかいない。まだ初日。キャンプで大きく騒がれながら期待外れに終わった阪神の助っ人は数知れず。ここからの見極めが肝心だ。それでも、いきなり怪力と広角打法を披露したボーアが、“40発超え”の期待を抱かせたのは間違いない。