矢野監督「今こそ戦う姿勢を」岩貞三回交代…執念の采配も実らずV逸

 長嶋茂雄氏の写真を横目に、球場から引き揚げる矢野監督
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 「巨人6-5阪神」(15日、東京ドーム)

 八回2死一塁。ジョンソンの高めに浮いた直球をゲレーロが見逃さなかった。歓声に乗った打球が左中間席中段に突き刺さると、巨人ファンが一斉にタオルを振り回す。またしても矢野阪神がオレンジの波にのみ込まれた。

 痛恨の逆転2ランで、今季の優勝は完全消滅。14年連続のV逸が確定した。「今こそ戦う姿勢とか気持ちが問われるような状況になってきている」。就任1年目でのリーグVを逃した悔しさを押し殺しながら、矢野監督はなおも前だけを見つめた。

 首位・巨人を相手に意地を見せたい一戦だった。だからこそ「追いつかな勝たれへんやん」と三回で先発の岩貞をあきらめ、満塁機に代打・鳥谷を送り出した。木浪も続き、最高の形で逆転を決め、その後は鉄壁の中継ぎ陣を惜しみなくつぎ込んだ。

 「仕掛けるしかないしね。行くとこまで行って“勝つ”という気持ちをしっかり出してやってくれた結果なんで。それは受け止めるしかない」。最善の策を尽くしての敗戦に、指揮官は負けを認めた。

 V逸が決まっただけでなく、CS進出も遠のいた。それでも「きょうみたいな形で、毎日毎日、その目の前の試合をどう勝つかということを考えてみんなで頑張っていきます」。残り9試合を全力で戦い抜くことを誓った。

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