メッセ、日本100勝へ暗雲 2軍で炎上…矢野監督「今話せることはない」昇格見送り

 「ウエスタン、阪神1-6オリックス」(3日、鳴尾浜球場)

 日本通算100勝に暗雲-。阪神のランディ・メッセンジャー投手(38)が、鳴尾浜で行われたウエスタン・オリックス戦に先発。5回まで2安打無失点と好投しながら、六回に満塁弾を浴びるなど一挙5失点で降板した。矢野燿大監督(50)ら1軍首脳陣は現時点で昇格候補に入っていないことを明言。次回も2軍戦での登板となる見込みで、残り試合数を考えれば今季中の偉業達成が厳しくなってきた。

 日本通算100勝を目指すメッセンジャーにとって弾みをつけたいマウンドだったが…暗雲が立ち込めてきた。6回5安打5失点、2四球で降板。ベンチでは怒りをあらわにし、試合後は感情を押し殺し無言で球場を後にした。

 この日はDH制を使わず、「9番・投手」で先発した。好投すれば1軍への道が開ける一戦。五回までは球数少なく省エネ投球を展開した。最速147キロの直球にカーブやフォークなどの変化球を織り交ぜ、2安打無失点、無四球に抑えた。5回までの球数は60球と、快調なペースで進むかと思われた。

 しかし、1点リードの六回、突如、歯車が狂った。先頭の宜保に初めての四球を与えて出塁を許す。その後、1死一、三塁とピンチを広げ、太田に同点の左前適時打を許した。最少失点でとどめたい場面だったが、なおも2死満塁から白崎に満塁弾を浴びた。

 114キロのカーブを捉えられ、打球は無情にも左翼フェンスを越えた。マウンド上では、信じられないとばかりの表情を浮かべたメッセンジャー。痛恨の炎上劇に、香田2軍投手コーチは「丁寧に投げてくれていましたが、変化球で空振りを取れていない。高さというところでももう少しかな」と課題を口にする。

 矢野監督は「(昇格は)ファームでちゃんとやった後のことだから、今話せることはない。その段階に入っていないでしょ」と明言。福原コーチも「上のローテも今はある程度しっかりしてますから」と話した。

 次回登板について平田2軍監督は「来週のこの時期は育成試合もあるのでね。その辺の組み合わせを見て考える」と説明。コンディションなどを確認して登板日を決めていく方針だという。

 右肩の治療などのため7月下旬に帰国し、8月上旬に再来日。「1軍に戻ってすぐにでも投げられるように準備していきたい」と意気込んでいた。だが1軍の残り試合数は20で、日程的にもあと2勝に迫る日本通算100勝は厳しい状況だ。

 それでも長きにわたってチームを支えてきた右腕。不屈の闘志で1軍のマウンドを目指す姿が見たい。

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