青柳、中1日で仕切り直す 本来先発ガルシアとばして5日先発
「DeNA(落雷ノーゲーム)阪神」(3日、横浜スタジアム)
スクランブル先発や!阪神は横浜スタジアムで行われたDeNA戦が落雷により、一回裏途中でノーゲームとなった。先発して打者1人を抑えた青柳晃洋投手(25)は、5日の第3戦に再度、先発としてマウンドに立つ予定。中1日での仕切り直しにも「すぐチャンスが来るので」と気持ちを切り替えた右腕が、逆転CSへチームに勢いをもたらす。
帰りのバスへと急ぎながら、青柳は耳をつんざくような雷と、バケツをひっくり返したような雨に目を丸くした。決して天に見放されたわけではない。気持ちは次戦に向いていた。「すぐにチャンスをもらえるので(期待を)裏切らないように」と自らに言い聞かせた。カード初戦を任された男は、中1日で5日のDeNA戦に向かうことが決まった。
上々の滑り出しだった。初回、先頭の神里を変化球2球で追い込み主導権を握る。そこからファウルで粘られたが、最後はカウント2-2から142キロのツーシームで空振り三振。「普段、打たれている神里。いい感じに入れた」と9球を要しながらも仕留めた投球を収穫と捉えた。
しかしその直後、上空に稲光が発生。ドス黒い雲が球場を覆い、雷鳴がとどろいた。8分間の中断後に試合が再開されたが、続くソトに初球ストライクを取った後に再び稲光で水入りとなった。計49分の中断中も「ブルペンでキャッチボールをしたり、気持ちは切らさないようにしていた」と青柳。落雷ノーゲームの経験を問われると「あるわけないでしょ(笑)」と明るい表情を浮かべた。
前回登板した8月28日の中日戦(甲子園)では7回1失点。一発に泣いて今季9敗目を喫したが、安定感あるマウンドさばきで試合を作っていた。その際は前日の試合が雨天中止となり、自身2度目のスライド登板となっていた。
ノーゲームとなり、この日の10球と奪三振は記録に残らない。それでも「良かったので続けられれば」と、明日の登板へ手応えをつかんだことは間違いない。
上位2チームとぶつかる今週5試合は、逆転CSへの正念場。予想外の事象にも惑わされず、変則右腕が仕切り直しの一戦で快投を見せつける。