近本 セーフティーバントから二盗、三盗「その時の感覚で」 盗塁王諦めない
「巨人4-2阪神」(17日、東京ドーム)
無抵抗では終われない。その思いが、自然と体を動かした。前夜の巨人戦では4打数無安打3三振に倒れた阪神・近本。何としても出塁したい-。一塁方向へ駆け出しながらバットを横に寝かせた。三塁側への絶妙なゴロ。俊足で一塁ベースを一気に駆け抜けた。
「(最初から)狙ってというのはなかった。(三塁・岡本の)守備位置も下がっていたので、その時の感覚でやりました」
意地の内野安打は初回。高橋が投じた初球、外角高めの直球の勢いを完璧に殺した。敵の意表を突くセーフティーバント。試合開始早々、切り込み隊長として仕事を果たした。
真骨頂はここからだ。続く北條の7球目に二塁へスタートを切った。今季24個目、7日・ヤクルト戦以来となる盗塁を決めた。
さらに見せ場は続いた。2死一、二塁。「三盗に関してはもう少し早く走れたらよかったんですけど、タイミングは取れなかった。100%セーフじゃないとダメなので」。反省しながらも、相手の隙を探し、三塁を陥れた。これで25盗塁とし、リーグ2位のヤクルト・山田哲に並んだ。27盗塁でトップを走る中日・大島も含めて熾烈(しれつ)なタイトル争いを続ける。
試合はルーキーの奮闘も実らず、痛恨の連敗。逆転CS進出へ、虎の韋駄天(いだてん)は走り続ける。