北條 同期の藤浪を救う3号ソロ!甲子園95周年で勝利を飾る

 5回、ロメロから左越えに同点ソロを放つ北條
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 「阪神3-2中日」(1日、甲子園球場)

 復帰した同期を一振りで救った。1点を追う五回、阪神の北條史也内野手(25)が左翼へ同点の3号ソロ。今季初先発した藤浪晋太郎投手(25)の負けを消す一発だった。チームも逆転で2カード連続の勝ち越しを決定。2日からはしばらく甲子園を高校生に明け渡し、ロードの戦いに出るが、若い力が真夏の正念場を引っ張っていく。

 二人には、強く結ばれた絆がある。募る思い。北條が奏でた美しい音は、藤浪の耳に届いただろうか。第3号アーチは、同級生の今季初黒星を消す同点弾になった。「負けを消すことができてよかった」。表情が少しだけ、和らいだ。

 同じタテジマのユニホームに袖を通して、7年がたった。12年度ドラフトで入団、同期は6人。その中で高卒の同級生は藤浪と北條…二人だけだった。「いつか藤浪と一緒にお立ち台に立ちたいんです」。その北條の思いに、藤浪はテレビ画面を通して触れたという。背番号2の言葉に、照れくさそうに右腕が笑ったのは昨年の暮れ。あれからずっと、二人はその夢を追いかけてきた。

 「1打席目がかなり悔しい打席になってしまったので、なんとかしたいという思いでした」

 早期降板となり、ベンチで戦況をジッと見つめる藤浪へ。北條が思いを乗せる。1点を追う五回だ。追い込まれて迎えた5球目、高めの直球をフルスイングで捉えた。打球は左翼席へと一直線。グラウンドを足早に一周すると、ハイタッチを待つ後方には藤浪の姿があった。手と手が重なり合う。その一瞬、二人だけの時間が流れた。

 お互いのことを知ったのは、中学のときだっただろうか。阪神の中で大所帯の世代にはなるが、二人は少し特別な存在だという。北條が「同期で、同級生。それは1人しかいない」と思いを募らせれば、藤浪も言う。「みんな他の同級生も仲良いんだけど、北條だけはちょっと違う。だからヒーローインタビューを一緒にしてみたいなっていう思いはあるかな」。藤浪が投げて、北條が打つ。そんな二人が思い描いた物語に、虎党の大歓声が最高のBGMとなった。

 一緒にお立ち台に立ち、同じ景色を見る-。その願いは持ち越しとなった。甲子園95周年。ここは高校時代から、切磋琢磨(せっさたくま)し合った大切な場所でもある。北條は「マウンド降りるの早いなって」と友を最後までいじった。二人だけの夢をかなえるその日まで。全てを見守ってきた聖地が二人を優しく包み込む。ずっと、これから先もずっと変わらない-。

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