鳥谷、サヨナラ呼んだ 連続開幕スタメン途切れても代打でフェン直三塁打

延長11回、三塁打を放つ鳥谷
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 「阪神2-1ヤクルト」(29日、京セラドーム)

 プロ野球は29日、セ、パ両リーグが開幕。矢野阪神はサヨナラ勝利で初陣を飾った。1-1で迎えた延長十一回、代打・鳥谷敬内野手(37)が右翼フェンス直撃の三塁打で出塁。1死三塁から暴投で決勝点をもぎ取った。開幕スタメンに抜てきされたドラフト1位・近本光司外野手(24)=大阪ガス=は、同点三塁打を放つなど攻守にわたる活躍で勝利に貢献した。

 目に映る全てのものが、ただただうれしかった。数え切れない悔しさを乗り越えて。鳥谷がサヨナラ勝利を呼び込む三塁打で、感情を爆発させた。

 ベンチでは満面の笑みで矢野監督がガッツポーズ。「自分もつられてガッツポーズしてしまいました」。終始照れ笑いのヒーローだ。今季第1号のお立ち台から見る景色は、格別だった。

 出番は1-1の延長十一回。3ボールと有利なカウントで、脳裏には四球がよぎった。それでも…。「今季最初の打席だったので。振っていきたい気持ちがあった」。振っていこう-気持ちを決めると、フルカウントからの7球目だった。真ん中に入った直球を強振。これがフェンス直撃の三塁打となり、上位打線の若虎へ。最高のお膳立てとなった。だが試合後の鳥谷は、なぜか恥ずかしそうに笑う。

 「本当はホームランで決めたら格好よかったんですけど、三塁打のあと代走も出されていますし…。最後決めたわけでもなかったので、ちょっと恥ずかしい感じもします」

 あと数十センチで逃した“今季1号”にも、笑顔は尽きない。悔しさで始まった開幕戦だった。プロ16年目で初めての開幕ベンチスタート。それでもこの日の最後に中心にいたのは、鳥谷だった。「言われたところでやるだけです」。開幕スタメン落ちが決まってから、何度も口にした言葉。この日もベンチでは何度も準備を重ねていた。矢野監督が「トリ悪い、準備疲れするんじゃないか」と心配したほどに。慣れない代打での登場にも、必死に前を向いて取り組んでいた。

 19年初陣を締めくくったのは、割れんばかりの「鳥谷コール」。その声は鳴りやまない。ただこれ以上の大歓声を受けるのは、もう少し先だ。目指すは遊撃奪還。「もう一回、ショートのポジションに立てるように頑張っていきたい」。ファンの前で改めて決意表明。この活躍には続きがある。鳥谷がまた、夢を与える。

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