木浪OP戦最多安打 ドラフト制以後…阪神初の開幕新人1&2番

 「オープン戦、阪神8-4オリックス」(24日、京セラドーム大阪)

 結果でつかんだ定位置にも、阪神・木浪は笑みすら浮かべなかった。現在地はゴールではなくスタートライン。前を向いた。「キャンプが始まってから、このためにやってきたので」。ドラフト1位の近本と2人、開幕スタメンを決めた。球団新人では47年ぶりの快挙だ。

 開幕前最後の一戦も、打撃に陰りは見えない。二回だ。2点を奪い、なおも1死満塁。木浪はネクストから見た先輩の背中に刺激を受けた。「西さんのヒットを見て、何とか自分も打ってやろうと」。1ストライクから2球目、内に食い込むスライダーを狙った。

 打球は詰まりながらも、右翼線を弾む。2者が生還して打者一巡、7得点の猛攻をつないだ。オープン戦全17試合に出場して放った22安打は、球団の新人記録を更新し、今オープン戦最多安打となった。打率・373はDeNAの楠本、ヤクルトの塩見に次いで、堂々3位の好成績だ。特筆すべきは得点圏打率・455。開幕スタメンを明言した矢野監督も賛辞が尽きない。

 「マイナスが少ない選手だよね。ここまでの結果は自分でつかみ取ったものだし、想像以上。木浪らしいプレーをしてくれたら」

 ドラフト制度導入以降、開幕戦で1、2番に新人が並ぶのは、球団史上初の快挙になる。24歳コンビが歴史の扉をこじ開けた。「自信がついた部分もありますけど、シーズンに入ってからが大事になる」。手にした座を不動にするために、「しっかりやっていきます」と一切妥協はない。

 代打出場からスタートしたオープン戦。次は一塁に就き、三塁、二塁を経て鳥谷、北條から開幕ショートを奪い取った。「最初ですからね。緊張すると思いますけど、自分のプレーを心掛けていきたい」。怖いものはない。若さあふれる積極性を武器に、ヤクルト・小川撃ちの先陣を切る。

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