ドラ1近本 甲斐キャノンかいくぐる 強心臓!初球から盗塁

 3回、二盗を決める近本
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 「オープン戦、ソフトバンク1-0阪神」(2日、ヤフオクドーム)

 日本一バッテリーを相手に大暴れだ。阪神のドラフト1位・近本光司外野手(24)=大阪ガス=が三回、ソフトバンク・千賀のお化けフォークを右前に運んで出塁すると、強肩・甲斐のキャノン砲をくぐり抜けて二盗に成功した。八回にも左前打でマルチ安打。打って走って、期待のルーキーが元気いっぱいだ。

 ルーキーの持つ強心臓は並ではない。敵地の左翼スタンドから沸き起こる「走れ!走れ!近本」の大合唱。電光石火のごとく塁間を駆け抜けると、虎党のボルテージは最高潮に達した。3打数2安打1盗塁。昨季王者を相手に縦横無尽の活躍を見せた実力は、紛れもなく本物だ。

 お化けを撃退し、キャノン砲は難なくかわした。三回2死走者なしで、開幕投手が内定している千賀と対峙(たいじ)。カウント2-2からの5球目、内角へ鋭く落ちる“お化けフォーク”に反応した。「自分の見たこともないような球だったので、ビックリして手が出た」と反射的な無駄のないスイングで右前へ打球を弾ませた。

 球界を代表する投手から安打を放ったが、表情に緩みはない。勝負はここから。「決めていました。初球に走ることが、捕手としても投手にしてもプレッシャーがかかると思うので」。高くそびえ立つ甲斐に対しても臆することなく攻めた。鳥谷の初球に迷わずスタート。送球が遊撃寄りにそれたのもあったが、二盗を決めた。

 結果がどうなろうと、何としても甲斐から走りたかった。昨年の日本シリーズで目にしてから、春季キャンプ中も“甲斐キャノン”を突破する方法を模索してきた。広島の田中広らが刺されたシーンなどを何度も見返した。

 最大の武器と分析したのは、送球の正確性。欠点を探した末にたどりついたのが「自分の走塁技術を高めることができれば、どんな捕手からも走ることができる」と自らのレベルアップだった。1度決めたことはとことんのめり込むルーキー。キャンプでは筒井コーチから“おかわり男”と名付けられるまで練習に明け暮れた。

 足だけでなく、打撃も好調だ。八回1死走者なしでは、追い込まれながらも奥村の外角に浮いたチェンジアップを左前へ。「追い込まれてからはセンターから逆(左)への打球方向を意識しています」。簡単に打ち取られるのではなく、状況に応じた対応で結果を残した。

 開幕スタメンへ。虎の韋駄天(いだてん)ルーキーが、がむしゃらに結果を求め続ける。

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