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【阪神ドラフト選手紹介・近本光司外野手(3)】転換点になった大学3年の春

 笑顔を浮かべる関学大時代の近本
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 今秋のドラフト会議で阪神から指名を受けた7選手(1~6位、育成1位)を紹介。ドラフト1位・近本光司外野手(24)=大阪ガス=の軌跡を追う。今回は最終回。

  ◇  ◇

 大学は関学大を選んだ。高校まで外野手と投手を兼務していたが、「自分でゲームメークすることができ、足腰と肩をしっかりと鍛えられる」と投手に専念。しかし、投手だけでも当時野球部には全学年合わせて約60人在籍。甲子園経験者も多数おり、なかなか登板機会には恵まれなかった。

 そんな中、試合に出るために決断したのが大学2年時での野手再転向。それまで目立たない存在だったが、徐々に頭角を現していった。当時監督を務めていた竹内利行氏の目を引いたのは3年春のオープン戦や練習試合での姿だ。「見ていても面白いぐらいによく打った。あの期間の打率は5割くらいあったんじゃないかな。足も速かったし、これはいけると思った」とレギュラーに抜てきした。

 野手転向後初のシーズンとなった2015年春のリーグ戦では存在感を一気に放った。打率はリーグ3位の・379。ベストナインにも選ばれた。「試合に出られない期間も腐らずに練習を積み重ねていった証し。まじめ一徹な性格だからこそ活躍することができたと思う」と竹内氏。真摯(しんし)に組む姿勢は実ると改めて実感させられた。

 ただ、華々しいリーグ戦デビューを飾ったものの最終学年はケガに苦しめられた。春の公式戦では一塁へ駆け込んだ際に転倒して右肘を骨折。秋の試合でも死球を受けて右肘を骨折した。チームに迷惑をかけ、さらに社会人野球に進むことを望んでいた時でもあり、「大事な時期に何をしているんだ」と悔やんだ。大学での野球生活は完全燃焼できずに幕を閉じた。

 それでも野球の神は見放さなかった。4年ではケガでアピールできなかったが、3年春のリーグ戦を視察した当時大阪ガスの監督・竹村誠氏から声をかけもらった。「足の速さに驚きました。この選手は伸びるだろうなと感じたので」と獲得の理由を振り返る。「やれるところまで野球を続けたい」と思っていた近本にとっては、まさに“神の声”だった。

 大学まで全国大会に出場したことがない無名選手。一気にその名が野球界に知れ渡ったのは、今年の都市対抗野球だった。打率・524で首位打者に輝き、MVPの橋戸賞を獲得。社会人2年目でドラフト上位候補にまで急成長を遂げた。

 そして運命の10月25日。祖父母に両親、叔母など10人ほどが淡路島の実家でテレビの前に集合し、ドラフト会議の中継を見守った。「あんなに早く名前が出るとは思わなくて、家中に歓声が響いてました」と父・恵照さん。1位で、しかも地元球団の阪神からの指名だった。

 ここまで決してエリート街道を歩んできた訳ではない。胸にあるのは“雑草魂”。大舞台で猛虎の歴史に名を刻む挑戦が幕を開ける。

 ◆近本アラカルト

 生まれ 1994年11月9日、兵庫県淡路市出身

 サイズ 170センチ、72キロ

 投打 左投げ左打ち

 血液型 B

 球歴 父と兄の影響で8歳の時に野球を始める。淡路市立東浦中学校から兵庫県立社高校に進み、高校時代は投手で、夏は県8強が最高成績。楽天1位の辰己は2学年後輩。関学大2年時に外野手に転向した。大阪ガスでは今夏の都市対抗野球で打率.524をマーク。首位打者とMVPにあたる橋戸賞を受賞し、初優勝に貢献した。

 新婚 今年3月に東浦中学同級生の未夢さん(23)と入籍

 趣味 旅行と料理。ドラフト前夜は景気付けにポトフとギョーザを作った。

 座右の銘 毎日を大切に過ごす

 俊足 50メートル走は5秒8

 対戦したい投手 巨人・菅野

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