阪神『ノーモア2点犠飛』中継練習で意識徹底 広い甲子園で勝ちたいんや

 「阪神秋季キャンプ」(10日、安芸)

 地の利を生かせ!!守備コーチの発案で阪神の秋季キャンプ第3クール初日は、中継プレーの反復練習に時間を割いた。今季は甲子園で21勝39敗2分け。過去最悪の負け数に加え、借金17もワーストだった。また、本拠地の勝率・350は1978年に次ぐ不名誉な数字。素早い連係で1点を守り抜き、接戦にも強かった2003年型のスタイルを築く。

 静寂のグラウンドに捕手の声が響く。左中間に飛んだ白球を左翼手、中堅手が追い、カットに入った内野手に返す。ここから本塁までのロングスローだ。最短距離で、1秒でも早く-。第3クール初日は、中継プレーの連係に多く時間を割いた。筒井外野守備走塁コーチが意図を明かす。

 「今年は中継プレーがウイークポイントになった。甲子園は左中間、右中間が広い。神宮も意外と。1つでも先の塁に進ませないようにね」。設定は走者一塁だ。打球の強弱で本塁までの中継か、打者を二塁に進ませないための返球かを選択。失点の確率を最小限にするための反復練習だ。

 振り返れば今季は、本拠地での戦いに苦心した。21勝39敗2分け。負け数と借金は過去ワーストで、勝率・350は1978年に次ぐ不名誉な数字。投、打のスキルアップは大前提だが、接戦ではより細かいプレーの重要度が増す。この日は通常二遊間で入る中継を1人にして、よりカットマンにつなぐ意識を内外野に徹底させた。

 藤本内野守備走塁コーチも言う。「今年は1点で済むところが2、3点になることが多かった。1点を守る野球をしないと」。例えば7月31日の中日戦、中継プレーの乱れから二塁走者の生還を許した。同コーチは03年を例に重要性を説く。実は同年、圧倒的な強さを誇ったイメージがあるが、1点差の試合で24勝8敗。接戦をモノにして頂点に立った。

 矢野監督は少し厳しく改善を促す。「簡単ではないと思うけど、もうちょっと確率を上げてほしい」。外野手のチャージと正確な送球に、内野手の判断と素早い返球…。捕手の声掛けと確実な捕球も求められる。指揮官は「気持ちを皆でつなぐプレー」と表現した。今後も含め、春季キャンプでも取り入れる予定。1点を守る野球で本拠地の勝利を増やす。

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