大山にマン振り指令 田淵&門田イズム注入だ 浜中コーチ助言で5連発

 「阪神秋季キャンプ」(2日、安芸)

 阪神の大山悠輔内野手(23)が2日、“田淵&門田理論”を注入された。秋季キャンプでの午前のフリー打撃で思うようなスイングができなかった若虎に、浜中治打撃コーチ(40)が現役時代に阪神OBの田淵幸一氏(72)、南海、オリックスなどで活躍した門田博光氏(70)から注入された「とにかく全力で振れ」という教えを伝達。その直後から5連発した大山は、午後からの打撃練習でもアーチを量産。3年目の来季の飛躍へ背番号3が進化する。

 形を意識し、当てにいくだけのスイングを繰り返す大山を浜中打撃コーチは横目で見ていた。3カ所の打撃ケージで行われた午前のフリー打撃。最後に打撃投手を務めていた同コーチのレーンに背番号3がやってくると、一言だけこう伝えた。

 「もういいからとにかく強く振れ!!」

 このアドバイスから大山のスイングが劇的に変わった。何かを吹っ切ったように打球が飛び始めた。最後は5連発を放ってフリー打撃は終了。その状態は午後からの打撃練習でも続いた。

 ロングティーではきれいな放物線を描いた打球が次々と外野の防球ネットに突き刺さった。フリー打撃でも完璧に捉えた打球は、逆風でもスタンドに飛び込んでいった。ティー打撃の際に本人を呼んで「まず振ること。強く振った上で形を見つけていけばいいから。強く振れるバッターが振れなくなるのが一番、ダメだから」と語りかけた浜中打撃コーチ。実はこの理論、自身の現役時代に2人のスラッガーから教えられたものだという。

 1人は星野政権時に打撃コーチとして「うねり打法」などを伝授した田淵氏。もう1人は不惑の大砲と呼ばれ、史上歴代3位の567本塁打を放った門田氏だ。浜中コーチが現役時代の打撃練習中、評論家としてケージ裏にやってきた門田氏から「ボール球でもワンバンでもとにかく全力で振るように」と練習法を伝授された。

 それを心にとどめ、練習で繰り返した。だからこそ成長できた。そんな経験があるからこそ、この日、浜中コーチは大山に語りかけた。「強く振れば打球も飛ぶ。練習も楽しくなる。その中で、自分で考えながら形を見つけていくことで、いい練習だったと思ってもらえればいい」。それは間違いなく、スラッガーと呼ばれた人間にしか分からない感覚だ。

 大山自身も「フォームを意識し過ぎて、ちょっと当てにいったところもあって。まずは強く振ることから。それでフォームを見つけていければ」と力を込めた。未来の4番を背負えるだけの素材。身を持って学んだフルスイングの大切さが、強打者の原点だ。

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