矢野新監督、ドラフト捕手指名へ 大商大・太田&関東第一・石橋ら候補に
阪神が今秋ドラフトで捕手の指名を目指すことが21日、分かった。今季、梅野が規定打席に到達し、正捕手としての地位を築いたが、捕手陣の年齢構成を見ても次世代を担う女房役の獲得が急務。候補としてリストアップしているのは大商大・太田光捕手(22)、関東第一・石橋康太捕手(17)らで、捕手出身でもある矢野新監督の下、新たな素材に“矢野イズム”を注入していくことになりそうだ。
矢野新監督の下でイズムを踏襲し、未来の司令塔となり得る逸材を獲得する。今季、梅野が生え抜き選手としては1988年の木戸克彦以来、30年ぶりに規定打席へ到達した。ただ捕手陣の年齢構成に目を向けると、数ある補強ポイントの中で若手捕手の獲得は急務な状況となっている。
球団幹部は「捕手に関してはドラフトで確実に、1人は獲得しないといけない。どの順位でどの選手を行くかという話になってくる」と明かした。今季、1軍でマスクをかぶったメンバーを見ればベテランの岡崎は35歳。そして梅野、原口、坂本、長坂と25歳前後の選手たちが正捕手争いのグループを形成している。
数年後を見据えた上で、次世代の捕手育成に着手していかなければならないのが現状。特に捕手というポジションは“チームの司令塔”と評されるように、キャッチング、スローイングだけでなく、配球やゲームコントロール能力、フォーメーションなど試合中の局面、局面で瞬時に判断してゲームを動かしていく必要がある。
そのためには何よりも経験が必要。捕手の育成には時間がかかると言われる要因であり、大卒捕手で3年、高卒捕手で7年というのがプロ野球界の一般的な見方だ。
今秋ドラフトで筆頭候補にリストアップされているのが大商大・太田や関東第一・石橋ら。太田は1年春から安定感のある守備力を評価され、正捕手に抜てきされた。いきなりリーグMVPを獲得し、今年の春には首位打者のタイトルを獲得するなど攻守で高いレベルに位置する選手だ。
石橋も恵まれた体格を持ち、2年夏の東東京大会で4試合連続アーチを放つなど強肩強打が魅力の捕手。今オフ、新たに就任した矢野監督も現役時代、名捕手と言われた野村監督から捕手論をたたき込まれ、球界トップクラスのキャッチャーへ階段を駆け上がった。
貴重な経験をした指揮官がいる今だからこそ、必要になってくる新たな素材。矢野イズムを受け継ぎ、グラウンドで表現できるような未来の司令塔候補を、ドラフトで指名する。