福留主将が懺悔 来季逆襲へ…屈辱受け止めるのが第一歩
「ヤクルト6-5阪神」(8日、神宮球場)
厳しい声、励ましの声、それらすべてを阪神・福留孝介外野手は厳しい表情を崩さずに受け止めた。17年ぶりの最下位が確定した神宮の夜-。冷たい秋風が吹く中で「こういう結果を選手がどう受け止めて、来年、このグラウンドで悔しさをどう表現していくか。そこだけじゃないですか」と言う。
主将として、中軸打者としてチームトップの72打点を挙げてきた福留。だが、猛虎全体に暗い影を落とした貧打を打開するまでには至らなかった。チームが低迷すると要所で選手ミーティングを開催し、気持ちを一つにまとめ上げようとした。
さらに若手たちには積極的に声をかけ、自身が培ってきた野球学を惜しみなく伝授した。藤浪が今季初先発した開幕2戦目の東京ドームでは、声をからしながら左翼のポジションから励ましの声を送るなど、41歳のベテランが精神的支柱になっていたのは間違いない。
だからこそ悔しかった最下位という結果-。虎では17年ぶりという最悪の事態に「選手自身がどう受け止めていくか」と言った。悔しさから逃れ、現実から目を背ければ、その時点で成長はない。来季への希望の光も見えてこない。若手中心のチームに主将が訴えかけたもの。まず最下位という事実を受け止めることが、次へと踏み出していく第一歩になる。
すでに福留自身は来季、42歳のシーズンを現役で迎えることが確定している。中日・荒木ら、同世代の選手たちがユニホームを脱いでいく中で、今季の最下位で背負った悔しさを晴らしていくことになる。
チームの中心選手としてその力はいまだに欠かせない。来季、グラウンドでどう表現していくか。大ベテランが紡ぐ逆襲の物語は、この日から幕を開ける。