上本、FA熟考 故障者特例措置で取得見込み「少しずつ考えないと」

 阪神・上本博紀内野手(32)が5日、故障者特例措置によって今季取得見込みの国内FA権の行使について思いを語った。開幕から好調を維持していたが、5月中旬に左膝を負傷し離脱。数日後には「左膝前十字靱帯(じんたい)の再建術」を受けた。来季去就に注目が集まるが、熟考を重ねている段階だという。またこの日は、離脱後初の屋外でのティー打撃を行った。

 率直な思いを吐露した。タテジマに袖を通して10年。今季終了後に故障者特例措置で取得見込みのFA権を行使するか否か。上本が熟考を重ねている。

 「少しずつ考えないといけないとは思っている段階です」

 内なる闘志を胸に、迎えた開幕。それでも思いとは裏腹に、つまずいた今シーズンでもあった。歯止めをかけたのは絶頂期の離脱。7試合連続安打を放つなど、開幕から20試合に出場し、打率・422をマーク。大暴れだった矢先の5月5日・中日戦のことだった。

 二盗を試み、滑り込んだ際に左膝を負傷。その数日後には「左膝前十字靱帯の再建術」を受けた。今季絶望の大ケガ。今でもなお、好調時の離脱について「そういうことは言い出したらキリのないこと。ケガしたこと自体が悔しいから」と唇をかむほどだった。

 それでも上本は下を向くことなく、リハビリに取り組んできた。そしてついに離脱後初となる屋外でのティー打撃を再開するまでに。「ちょっとずつ…今日も軽くですけどね」と笑ったが、ロサリオらのフリー打撃時には、外野で懸命に白球を追えるほどに回復した。

 「先のことはまだ。1週間単位で上げていけるようにいくしかないので」

 球団もこれまでの上本の功績を高く評価しており、すでに交渉を開始しているという。複数年契約を提示していると見られるが、「しっかり考えたい」と上本。CS進出が消滅した今、来季の巻き返しに欠かせないピースとなるのは間違いない。迫り来る決断の時まで、思いを巡らせる。

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