ド貧打阪神、寒封負け たった2安打かいっ…右打者に強い左腕メルセデスに右ズラリ

 「巨人2-0阪神」(24日、東京ドーム)

 悲しい敗戦だった。阪神は今季最少の2安打で、今季8度目の完封負けを喫した。金本知憲監督(50)は機動力重視のオーダーを組んだが、巨人・メルセデスに五回まで無安打に抑えられ、最後まで攻略の糸口をつかめずに二塁すら踏めなかった。きょうも敗れれば、7年連続巨人戦負け越しが決まる。本当に意地を見せてくれ!

 完敗と言っていい。今季最少の2安打で、今季8度目となる完封負け。沈黙の選手がどうこうではない。対策を練った中で不発に終わった責任は背負う。金本監督は淡々と口を開いた。

 「(メルセデスは)良かったですね、やっぱり。球がよく動いてるし。低めにきたりね。コースも決まってたね。カットとかね」

 得点圏に走者を置くことすらできない。五回まで無安打に抑え込まれ、六回に先頭の代打・ナバーロが中前打。ただ、続く植田は送りバントを失敗し、その後もベンチは植田に盗塁のサインを出していた中で走れず、二塁を踏めないまま無得点に終わった。反撃の糸口をつかめなかった。八回無死一塁からもチャンスを広げられず、九回も3人で抑えられてゲームセットだ。

 「(右中心の打線は)データも少ないし、もちろん左(投手)だからというので。多少左(打者)の方がいいというデータはあったんですけど、少ないデータのものなんで。そこまでの、明らかなものというのは僕らは感じられなかったので」

 この試合までメルセデスは右打者に被打率・186、左打者に被打率・333だった。ただ、阪神は前回7月18日の対戦で7回無失点に抑えられて敗れたものの、左腕からナバーロの2安打に加えて、糸原、北條、俊介、中谷が計6安打。それを踏まえて右中心の打線を組んだが、この日は右の内角に食い込むカットボールのキレも良く「今日は右バッターはしんどかったと思う」という“裏目”の結果となった。

 前回メルセデスから2安打し、この日に代打で安打を放ったナバーロも、外野守備の不安を考えてのベンチスタート。福留を休養日にあてた中、長打の期待できるロサリオを一塁で起用したが3タコ。これでチームとしては、22日の中日戦の六回から22イニング長打なしとなった。

 狙いがはまらないまま、空転しての敗戦。相手が良かったから何もできないままではつらい。菅野と対戦する25日に敗れれば、12年から7年連続となる対巨人負け越しが決まってしまう。意地を見せるべき終盤の戦いで、この日の内容はあまりにさびしすぎた。

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