メッセ、9年目初球宴はオール直球で2回0封「来年もこの舞台に」
「マイナビオールスターゲーム・第1戦、全パ7-6全セ」(13日、京セラドーム大阪)
初の夢舞台にも、自らに課したミッションを堂々とこなした。二回表までに4本のアーチが飛び交う乱打戦をストレートだけで沈静化させた阪神・メッセンジャー。来日9年目で初出場となるオールスターで、2回無失点と日本通算93勝の力をしっかりと示した。
松坂が予定の2イニングを持たず、前倒しとなって二回のマウンドに上がった。いきなり先頭の安達に右前打を浴び、二盗を決められた。続く秋山には3ボールとなり「いつもと違う雰囲気だった」と苦笑いを浮かべたが…ここから簡単に崩れないのが助っ人右腕の真骨頂だ。
キレのある最速149キロの直球を高低、両サイドにちりばめ、秋山、柳田、近藤と全パの強打者たちをねじ伏せた。続く三回も2死から宮崎の失策、森の右翼線二塁打で二、三塁のピンチを招いたが、今江を直球で押し込み捕邪飛に仕留めた。
初の球宴出場で2回無失点は堂々の内容。「打者が打つシーンを見たいだろうから全部、直球を投げたけど。若い時ほどスピードは出ないけどよかった。後半戦もケアさえできれば戦える」と後半戦開幕となる16日の巨人戦へ向け、納得の表情を浮かべる。
「いつかは日本でオールスターに出られるような投手になりたい」-。シーズン途中で先発へ転向した来日1年目の2010年、メッセンジャーはそう夢を語っていた。ただこれまで外国人枠の問題などがあり、選考から漏れ続けた。
この日試合前練習を終えると、向かった先は三塁側のエキサイトシート。そこでファンの求めに応じ、時間の許す限りペンを走らせた。「来年もこの舞台に戻ってきたいから、ファンにサービスをしたんだ。来年は日本選手扱いでしょ」とニヤリと笑った右腕。その思いを結果で、そして行動でファンに伝えた2イニングだった。