糸井、球宴に強行出場 骨折完治せぬまま… 出場停止を回避 後半戦初戦から出場へ

 右足腓骨(ひこつ)骨折を負った阪神・糸井嘉男外野手(36)が、選手間投票で選出された「マイナビオールスター(13日・京セラドーム、14日・熊本)」に出場することが12日、分かった。骨折後は2軍施設を中心にリハビリを行い、まだ完治に至らず痛みもある状態だが、ファンとチームのためにも強行出場の意思を固めたもよう。自身10年連続10度目の出場となる夢舞台を経て、16日の巨人戦(甲子園)から始まる後半戦に臨む流れだ。

 強行か、断念か…。熟考を重ねた上で、一つの決断を下した。ファンのためにも出る。チームのためにも休めない。手負いの状況であっても、糸井は球宴を辞退することなく、強行出場する決意を固めていた。球団関係者がこう話した。

 「チーム(タイガース)に迷惑をかけているので、球宴明け10試合以内では復帰したい。緒方監督やセ・リーグのメンバーには少し迷惑をかける形になり本当に申し訳ないが、できる範囲で球宴には出場したい、と糸井選手本人は言っている」

 衝撃的な骨折は6月30日・ヤクルト戦(神宮)でのこと。風張から右膝付近に死球を受け、2日に大阪市内の病院で全治未定の「右足腓骨骨折」と診断された。負傷直後から自力歩行していたとはいえ、骨折後初めて公に姿を見せた5日の段階では松葉づえを使っての歩行だった。

 ここまでは鳴尾浜を中心にリハビリを行い、すでに打撃練習も開始。骨折という重症のため、まだ痛みはあるが、出る以上は現時点でのベストパフォーマンスを披露する。同球団関係者も「糸井選手としては10年連続10回目の出場になるので、球団としてもタイガースの代表として何とかがんばってもらいたい」と期待を寄せた。

 また、今回の強行出場は、16日の巨人戦(甲子園)から始まる後半戦にも影響してくる。仮に球宴を辞退していれば、後半戦初戦からの10試合に出場選手登録ができないという「ペナルティー」が科せられていたからだ。

 今後の患部の状態次第となるが、これで16日の後半戦初戦からの出場も可能な状況に。金本監督も前半戦総括会見で「打つ方ではチーム三冠王ということでよくやってくれました」とたたえたように、チームに不可欠な存在。まずはオールスターで復帰し、超人ぶりを全国に示す。

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