ドリスの悲劇 送りバント悪送球で決勝点献上…誠也にトドメ満弾被弾 金本監督絶句

 「阪神6-11広島」(24日、甲子園球場)

 ベンチに戻る阪神・ドリスは生気を失っていた。金本監督も「今年は多いよな、ちょっと。投内連係ができていない。それがまさか決勝点とは…」と守護神の炎上に絶句した。1分けを挟んで今季初の5連敗で借金は最多の6、そして16年9月18日以来の単独最下位-。負のスパイラルから抜け出す糸口は現状、見えてこない。

 5点差を追いついて迎えた九回、聖地は悲鳴に包まれ、そして言葉を失った。体調不良から1軍復帰したドリスがいきなり西川に二塁打を浴びると、続く代打・堂林の送りバントを一塁へ悪送球。簡単に決勝点を献上すると、そこから制御不能に陥った。

 1点差ならまだまだ分からない展開だったが、制球が定まらなかった。バッテリーエラーのベースカバーは遅れ、菊池にノーマークで二盗を決められたシーンを見ると、完全にゲーム勘を失っていた。最後は鈴木に左翼ポール直撃の満塁弾でトドメを刺され、この時点でマウンドを降りた。

 「力もなければ、バランスも崩れていた」と言ったドリス。登板間隔が14日も空き、その間、発熱による体調不良で登録を抹消されるなど調整は不十分だった。「彼に時間を与えてあげれば違う展開になったかもしれない」とは香田投手コーチ。ただ、ここ2試合の救援陣を見れば、緊急昇格を決断する状況であったことも確かだ。

 この3連戦は一度もリードを奪うことなく、今季3度目の3タテを食らった。投手陣が頑張っても打線が打てない、打線が奮起しても投手陣が粘れないという負の連鎖に陥っている。6-6の七回1死一、二塁で鳥谷が二ゴロ併殺打、八回1死満塁は福留が三邪飛、糸井も投ゴロに倒れた。絶好の勝ち越し機でベテラン勢にあと一本が出ていれば…悲惨な結末はなかったかもしれない。

 開幕から65試合、猛虎は落ちるところまで落ちた。鳥谷は「自分ができることをやっていくしかない」と言った。このままズルズル行くか、それとも苦境を打破するか-。ここで真価が問われる。

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