中谷、プロ初サヨナラ打 G連倒で3位浮上 「よくあの場面で」金本監督シビれたぁ

 「阪神5-4巨人」(26日、甲子園球場)

 やってくれると信じてた!阪神は4-4の九回、中谷将大外野手(25)が左前へプロ初のサヨナラ打を放った。今季最多4万6703人が集まった甲子園で、チームは今季初のサヨナラ勝ちで今季初の4連勝。貯金1として、巨人を抜いて3位に浮上した。きょうが交流戦前のラストゲーム。宿敵に3連戦3連勝で締めくくる!

 内角の際どい球を見極め、2ボール1ストライクにもっていった。4球目、143キロのフォーク。中谷は少し詰まりながらも振り切り、三遊間を抜いた。糸原が生還すると破顔一笑。「ほんと心臓バクバクでした」。チームを4連勝に導く自身初のサヨナラ安打だ。

 4-4の九回2死一、二塁。第5打席。ここまで快音はない。「結果が出ていなかったので、1本ほしいという思いもありました」と重圧を感じながらも、集中力を高めた。ヒーローは「あの場面で打ててよかったです」と充実感を漂わせた。

 プロ8年目。「サヨナラを打ったことが初めてだったので、どう喜んだらいいか分かんなかったです」。好スタートを切って二塁からかえってきた同学年の糸原に「しっかり走ってくれた」と賛辞を贈った。

 昨季20本塁打を記録したスラッガーは今季開幕を2軍で迎えた。多くのチャンスをもらいながらオープン戦では打率・143、0本塁打。2軍でも打てない日々が続いた。不振の原因は「僕にも分からないです」という。

 自分を見失いかけていたが「鳴尾浜だったり、地方球場に行って、ファンの方々からの『早く上がってこい』という言葉が励みになりました」。5月16日のウエスタン・ソフトバンク戦(鳴尾浜)で2打席連発と猛アピール。22日に1軍昇格すると、即スタメンに抜てきされた。「いきなり上がってきて、こんなに使われることもないでしょうし、結果が出てよかったです」と首脳陣に感謝した。

 金本監督は「本当によく、あそこであの場面で打ったことに価値があると思います」と称賛。「左肩がグッと入らなくなってるし、そこら辺の感覚というか、試合でもある程度出せるようになって、あとはタイミングさえつかめばやってくれそうな雰囲気はあるんですけどね」と期待を込めた。

 チームとしても今季初のサヨナラ勝ちで3位浮上。貯金を1とした。「取りあえず、必死にやるだけなんで」と中谷。連勝街道を突き進む。

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