凄いで小野 DeNA打線ぶった斬った!八回途中1失点

 「DeNA1-2阪神」(4日、横浜スタジアム)

 大ブレークの予感だ。阪神の小野泰己投手(23)が八回途中1失点で今季初勝利を挙げた。力強い真っすぐでDeNA打線を圧倒。1年目の昨季は初先発から13試合目でプロ初勝利を手にしたが、2年目の今季は初登板から一発快投で白星発進。チームの連敗も2で止めた。金本監督から「柱としてやってくれるんじゃないか」とさらなる飛躍を期待された右腕。ここからローテの柱として勝って勝って勝ちまくる!

 4文字のメールが届いた。「頑張れよ」。“応援団長”からの短いゲキを受け、小野が緊張を力に変えた。今年初登板で自己最多の116球。そして自己最長7回1/3のマウンドで輝いた。「ホッとしています」。試合後にあふれた笑顔。チームの連敗もストップだ。

 その立ち上がり。1番・神里を二ゴロに打ち取る。この日初めてのアウトを奪うと、息を大きく吐いた。落ち着け-。続く桑原へは3球続けてのボール。制球がなかなか定まらない。そんな不安定な状態の中、はじき返された三遊間への鋭い打球を三塁・大山が好捕。同期入団の仲間のプレーに、小野はグラブを一度力強く叩き、気合を入れ直した。続く筒香を遊ゴロ。三者凡退に抑えた。

 正念場は六回だ。2死三塁のピンチで打席に3番・筒香。自然と力が入った。6球目には自己最速タイとなる153キロをマーク。そして最後には直球で二ゴロに仕留めた。

 悔いが残るのは2点リードの八回だ。併殺崩れと味方のミスが重なり、1死二塁。続く打者の時に暴投し、さらに四球を出したところで降板となった。2番手のマテオが適時打を浴び、実戦37イニング目で小野は今年初失点。それでも金本監督の、そして最大の味方の期待に応える好投で試合は作った。

 「いつ投げる?」

 数日前、父・勝己さん(52)から連絡があった。日付だけを伝えると、短いエールだけが届いた。「全然連絡とらんけん。『頑張れよ』と、応援の連絡がきたらうれしい」と恥ずかしそうに笑う。プロ入り後から始まったという父からのさりげない声援。それは全て小野の力になっている。この日は仕事の都合で球場へは駆けつけられなかったが、また一つ連絡するうれしい“用事”ができた。

 指揮官にとっても喜びはひとしおだ。新人だった昨季は変化球の制球に苦しみ、初登板から13試合目の8月29日ヤクルト戦(甲子園)で1勝目。だが2年目の小野はキャンプの時から違っていた。「今年はそれ(ローテの一人になること)をずっと期待していて。結果的に4番手になったけど十分に今年は柱としてやってくれるんじゃないかと」。金本監督はうなずいた。

 最後は両手を握り、祈っていた。「昨年は苦しい思いをしたので、今年は勝ち星が増える投球がしたい」。成長を見せる2年目にする。幸先の良いスタートに、小野の笑顔がはじけた。

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