阪神の小野泰己投手（２３）が３日、平常心で連敗を止める意気込みを語った。強調したのは「いつもと変わらず」の言葉。ここまでの実戦８試合で２９イニング連続無失点中。相手に１点も与えない『今まで通り』の好投で、自身の“開幕戦”を白星で飾る。

　小野の表情が自然とこわばる。プロ２年目でつかみ取った開幕ローテ。「緊張はいつも以上にしています」。若き右腕に託された連敗ストップ。期待に応えたい－。静かに闘志を燃やした。

　練習前だった。小野と金本監督の間でのわずかな時間。「緊張しているか？」。指揮官の問いかけに「かなり緊張しています」と、小野は素直に答えた。そんな小野への指揮官の期待値は高い。

　「ボールの質はいいと思うし、いいときの小野は（直球と）分かっていても、そんなに簡単に打てないと思う」と、伸びしろ十分な右腕の投球に期待を寄せた。

　勝ち取った開幕ローテの一角。２勝７敗と勝つことの難しさを知ったルーキーイヤーの昨年。そして２月７日の紅白戦から「０」を積み上げてきた今年。頭の中にあるのは経験と自信。２９イニング連続無失点という結果を携え、２年目の今季に挑む。

　２日の投手指名練習では、スタッフを左打席に立たせてボールを多めに投じた。“仮想・筒香”との対戦。抑えるイメージを整え、初めて上がる横浜スタジアムのマウンドを確かめた。傾斜、打者の見え方、球場の雰囲気。好スタートを切るための準備は万端だ。

　勝ちたい理由がある。３日は金本監督の５０歳の誕生日。１日遅れのバースデー星に「そういうときに投げられるので、勝てるようなピッチングができればいい」と意気込んだ。

　テーマは『いつも通り』だ。「テンポよく、一人一人しっかり抑えていきたい」。小野の２０１８年シーズンが幕を開ける。