糸井感謝の1号 マイペース調整認めてくれた首脳陣に応えた

 「オープン戦、中日12-2阪神」(17日、ナゴヤドーム)

 涼しい顔をしてグラウンドを一周した。熱気に包まれる左翼スタンドとは、まさに対照的。5打席目に訪れた待望のオープン戦初安打は、それほど衝撃的だった。「3番・指名打者」で先発出場した阪神・糸井嘉男外野手(36)が、オープン戦初安打となる先制ソロを放った。

 快音を残すまで、時間は必要なかった。チームとして今季2度目の対決となった中日・先発の小笠原。前回、猛虎打線はわずか2安打。苦しめられた相手と今年初めて対戦した糸井は、初球からフルスイングで捉えた。139キロ外角の直球に反応。鋭くバットを振り抜き、打球は一直線で中堅左のフェンスを越えていった。

 「しっかり振れた」。着弾点を見届け、軽快な駆け足でベンチへと戻ると、ハイタッチの嵐で出迎えられた。ほんのりと笑った。目を覚ますようなベテランの一発に、チームメートも両手を挙げて喜んだ。

 続く三回の第2打席にも、2球目の変化球に対応。右翼フェンス直撃の二塁打を放ち、片岡ヘッド兼打撃コーチも「順調にきている」とうなずいた。状態が上向きつつある糸井に、金本監督もさらなる注文をつける。「両方求めたいからね。率と長打と」。若いカウントでは球種やコースを決め打ちするなどし、さらなる長打力アップを求めた。

 糸井を何番に置くのか-。クリーンアップを担う3番、5番。俊足を生かした1番。指揮官は「もう少し様子を見ますよ」と言う。開幕まで残り2週間を切った。調子を上げてきた男が、打線の可能性を広げる。

 「しっかりと振り込めましたし、トレーニングもできた。自分のペースでやらせてもらって、ありがたかった。あとは実戦で状態を上げたいですね」と糸井。信じてもらった感謝を、結果で示していく。

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