メッセ「日本でキャリア終えたい」4月にも国内FA権…阪神への思い「もちろん」
来日9年目を迎える阪神のランディ・メッセンジャー投手(36)が23日、本紙のインタビューに応じ、日本球界でキャリアを終えたいという胸の内を明かした。4年連続5度目の開幕投手が濃厚で、今季中にも国内FA権を取得する右腕。球団史上最強助っ人が13年ぶりのリーグ制覇、33年ぶりの日本一へ全力を注ぐ。
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-春季キャンプも後半に入り、投球練習での球数も増えてきているが、シーズン開幕へ向けた調整を続けている。
「順調だね。一日一日練習していくことを心掛けているよ。ブルペンに入った時には内や外、高低を意識しながらやっている。投げない時でも、クイックモーションとか練習では意識しているからね」
-今年のブルペンでは直球、変化球に限らず低めを狙ったボールが多く、力強さも感じる。
「低めに集める方が高めにいくより打たれにくくなる。だからこそ、意識して投げるようにしようと思って取り組んでいるよ」
-2010年から阪神でプレーし、今年で9年目。順調にいけば4月16日に国内FA権を取得する。
「何か気持ち悪い感じがするね。これからも、日本でしっかりやって、キャリアを終えたいという気持ちがある。日本に長くいる選手でも1つのチームに所属する選手はいなかったり、1年で米国に戻ってという選手がいる。そんな中で、自分が9年目までやってきたことは誇りに思っているよ」
-米国では単年で他のチームに移籍するのが普通だが、阪神にこだわる特別な思いは。
「もちろんあるよ。『タイガース』がなければ、今のこの場にいることはできていないからね。感謝の意味を込めて、ピッチングでお返しできるようにと考えている」
-過去8年間で通算84勝。球団助っ人最多となるジーン・バッキー氏が記録を持つ通算100勝まで残り16勝に迫っている。
「2010年に日本へ来た時には、バッキーは本当に遠い存在だった。こうやってキャリアを積み重ねていくことで、遠い存在ではなくなったし、今シーズンにでも超えられるような存在になったね」
-チーム内での信頼度も高く、球界助っ人初の4年連続となる開幕投手も確定的。
「金本監督やコーチが僕に対して高い信頼を寄せてくれているので、その期待に応えたいという気持ちがある。本当にそれしかないね」
-開幕投手には特別な思いは。
「小さい時から野球を見ていて、開幕戦に投げる投手はチームナンバーワンの投手が務めていた。そういう意味では『タイガース』のナンバーワンとして開幕戦に投げられるというのは光栄に思うよ」
-小さい時に印象に残っている開幕投手は。
「ランディー・ジョンソン、ペドロ・マルティネス、カート・シリング、ロジャー・クレメンス、マイク・ムッシーナらだね。1人を選ぶというのは難しいよ」
-名前を挙げた偉大な功績を残し、球界を代表した投手らにたどり着きたい思いは。
「自分の仕事はとにかく投げること。目の前にある記録はどんどん超えていきたいという気持ちでいるよ」
-今年で37歳を迎える。体の変化や準備をする上で気にかけていることは。
「衰えは全く感じない。ユニホームに袖を通せば、気合も入ってくるからね。体の調子やコンディションを整えることが何よりも大事。スタミナがなければ、1年間を投げ抜くこともできないし、コンディショニングを整えることが大切だと考えているよ」
-在籍年数だけでなく、年齢的にも下の若い選手が増えてきた。
「若い人というのはベテランの姿や背中を見て、自分たちの練習に影響を与えていると思う。そういった意味で、僕はベテランとしてそういった姿勢を見せることによって若い人にも影響を与えられると思っている。若い人となるべく話すように心掛けているよ」
-昨年は右足を骨折するアクシデントがありながら11勝を挙げたが、安定した成績を残し続けられる秘けつは。
「皆が見ているところだけが自分の練習ではなくて、見えないところでもしっかりやっているからね。そういったところがこれまでの成績につながっていると思うよ」
シーズンは143試合あり、長丁場になるがリラックス方法は。
「悪い試合の後はフラストレーションがたまるね。そういった後は夜ご飯をしっかり食べて12時を越えたら過去のこととして考えて切り替えていくようにしているよ。そういう感覚で長いシーズンを乗り越えてきたよ」
-試合中など、メンタルの切り替えの早さが結果を残し続ける要因では。
「ストライクだと思って、後でビデオを見たらボールだったり、その逆もある。そういう1球にこだわりを持ち続けるというのはよくないね。試合全体を通して見て、すぐに切り替えるようにしているよ」
-練習だけでなく、試合にしても自分をコントロールしながら取り組んでいるように見える。
「まず、楽しむというのが僕の中でのメインだね。ブルペンであろうが、ゴロの捕球にしても真剣になるところは真剣に取り組む。コントロールするためには、どんなにつらいことをやってきても、楽しむということが大事になってくるよ」
-練習での取り組みの姿勢として、フィールディングやけん制などに積極的に取り組んでいるが。
「正しい練習をしっかりしていたら、試合になってもしっかりできる。練習の時から気を抜いてやっていると試合になってもミスをするからね。そういう心掛けで取り組むようにしているよ」
-その考え方は誰かの影響。
「メジャーに入った時に規範となる選手がいたのは確か。チーム内にいるベテランの選手から学ぶことも多くあったよ。でも、僕は日本に来て年を取っていくにしたがって自分のやり方をできるようになったのが、7年連続いい成績が残せていることにつながっていると思う」
-最後に今年の目標は。
「目標の第一には優勝があるね。個人の目標としては16勝以上を挙げて、100勝に到達すること。また、200イニング、200奪三振というのは長年こだわり続けてきた数字だね。チームが優勝すればそのような数字もおのずと付いてくると思うので、優勝したい」