大山 侍候補リストアップ 豪州撃ちから東京五輪へ 担当者がユニホーム採寸

 「阪神春季キャンプ」(3日、宜野座)

 阪神の大山悠輔内野手(23)が、3月3、4日に行われるオーストラリア代表との強化試合「ENEOS侍ジャパンシリーズ2018」(ナゴヤドーム、京セラドーム)に出場する日本代表候補にリストアップされていることが3日、分かった。NPB担当者が宜野座を訪れ、ユニホームの採寸を行った。この日は、打撃投手を務めた岩貞祐太投手(26)から柵越え3発を放ち存在感を見せつけた。

 キャンプ3日目の練習メニューを全て終えた大山が、関係者に呼ばれた。向かった先は球場敷地内の一室。虎のそれとは違う縦じまのユニホームを羽織りながら、サイズを測る。2年目の飛躍へオフから努力を続けてきた若虎に、一つの“知らせ”が届いた。

 侍ジャパン候補入り-。正式に選出されれば阪神の野手では13年WBCに出場した鳥谷以来の快挙。大山にとっては2020年東京五輪金メダル獲得への第一歩となる。

 素材の良さは、すでに証明済みだ。ドラ1新人として大きな期待を背負った昨季は、7月1日・ヤクルト戦でプロ初安打が初本塁打。9月1日・中日戦では球団新人では53年ぶりに先発4番に入った。翌2日の同戦では球団では2リーグ分立後初となる、ルーキー4番弾も放った。

 代表入りが実現すれば、昨年の秋季キャンプから二塁と遊撃守備にも挑戦している大山にとって、さらなる進化へのヒントを入手する機会にもなる。すでに内定している名手、広島・菊池らと過ごす時間から得るものは大きいはずだ。

 この日は、投手の生きた球と対峙(たいじ)。「あれは風です」。笑顔なく振り返るフリー打撃となったが、それでも虎党の心はがっちりつかんだ。マウンド上の岩貞をじっと見つめ狙い澄ました。3本のフェンス越えにはスタンドから拍手が起こった。金本監督も「実戦じゃないけどパッとピッチャーの球を打って(良さが)出てるよね」と高評価した。直球への強さを改めて確認できた15スイングとなった。

 それでも大山は首を横に振った。「全然対応できてないですね。実際、とらえたと思っても詰まっていますし」。簡単に満足しないところに、さらなる成長が生まれる。

 打撃練習に約2時間の特打。そして居残りでの4カ所バッティングにも取り組んだ。宜野座入りして最多の1日729スイング。「やっぱりアピールしていかないといけない立場なので、しっかり結果を出せるようにやらないといけない」。まずは7日の紅白戦を見据える。

 稲葉監督は6日からの第2クール中にも宜野座を視察予定で、全代表メンバーは20日前後に発表される見込み。大山がやることは何一つ変わらない。今持てる最大限の力を出すために。万全の状態で“吉報”を待つ。

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