阪神・藤川球児投手（３７）が２９日、沖縄の先乗り合同自主トレに参加し、ブルペン投球で状態の良さを示した。昨季はスローペースで調整をしていたが、今年は積極的に球数を投げていく。

　ボールが糸を引くように、通常より少し後ろに座らせた捕手のミットに吸い込まれていく。小雨が降りしきる中、藤川が直球のみで７１球を投げ込んだ。「球数を投げられているのは元気な証拠というか、いい体の使い方ができている」とうなずいた。

　昨年はシーズン終盤にピークを持っていったために、例年にないほどのスロー調整。２月２日のブルペンでの球数は１５球だった。それが今年はすでに７１球。まだ全力投球には程遠く、変化球も投げていないことから「ピッチングではない」としつつも、体の状態は良好であることをうかがわせた。

　年明けから石崎、坂本らと沖縄で合同自主トレを実施。昨年と比べて早めの仕上げに「２月は様子を見られる状態にしておく」と話していた。キャンプインを目前にした現在は「傾斜に慣れている」段階だ。

　この日、ブルペン捕手を途中から務めたのは原口だった。捕球するごとに大声を上げて投手をもり立てる姿勢に藤川も笑顔。今季もリリーフ陣の精神的支柱となり、チームを引っ張っていく。先乗り合同自主トレ参加メンバーでは最年長。藤川が着々と準備を進めている。