【金本阪神検証】誤算だった超変革の申し子たち

 「検証・金本阪神3年目のVへ向けて」

 CSファーストSでDeNAに敗れ、広島へのリベンジかなわず散った金本阪神。だが、借金12で4位に終わった1年目から、今季は78勝61敗4分けの2位に躍進。来季こそ-。悲願のリーグ制覇&日本一を勝ち取るための問題点、課題を提起する。

 昨年と比較しても得点数は大幅に上がった。リーグワーストだった三振数はリーグ2番目に少なくなり、四球数が増加した。打率、安打数がほぼ横ばいでも接戦を勝ち切れた要因-。金本監督は終了後のミーティングで「打席での粘りがいい結果につながった」と選手たちを称えた。

 糸井のFA加入で打線は厚みを増し、福留、鳥谷らベテランが奮起した。俊介、大和ら中堅選手も結果を残し、ルーキーの大山、糸原らが輝きを見せた。

 そんな中、広島との差を考える上で、後じんを拝する要因となったのが“超変革の申し子”たちの不振。金本監督就任1年目で兆しを見せた高山、北條、原口らが軒並み数字を落とした。もし彼らがマイナス要因ではなく、プラス要因となっていれば…。戦力差でも連覇を果たした広島にヒケを取らなかったかもしれない。

 遊撃のレギュラーを期待されながら調子が上がらず、交流戦後に出場選手登録を抹消された北條。再昇格した8月に金本監督は「春先に今くらいのがむしゃらにという気持ちがあれば、違った結果になっていたんじゃないか」と声をかけた。1年目に見せていた打席での執念、食らいつこうとする姿勢-。9月7日に再度、2軍降格させた際には「今のままでは上がり目が見えない」と心を鬼にし、さらなる成長を願って厳しく突き放した。

 指揮官が求めた体作りにも認識の違いがあった。「筋力値を上げて体脂肪を減らすには、絶食しながらでもウエートをやらないといけない」と語っていた金本監督。ただ、若手が認識したのは数値の関係ではなく、ただ“体を大きく”することだった。

 その結果、体重がベストよりも増えすぎて動きのキレがなくなった。開幕前、高山にあえて体重を落とすよう指示することもあった。現役時代の金本監督がそうであったように-。スピードとパワーをアップさせるためのウエートトレーニングが、誤った方向へ進んでしまったのも“2年目のジンクス”にはまった一つの要因だ。

 ただそれは、必ずしも“失敗”と断言することはできない。成功には必ず過程があり、来季、若手が活躍できればその経験が糧になったと語られる。その一方、中堅選手の奮起を誘発したのも若手の存在。超変革2年目を振り返れば、ここ数年にないほど確実に野手陣の層は厚くなった。

 05年以来、13年ぶりのV奪回を目指す2018年シーズン。金本監督は「来年に向けての戦いは始まっている」と言った。過去2年、奮闘した別々の世代が激しい競争を繰り広げ、融合できれば-。そう思えるだけの可能性を発展途上のチームは秘めている。

2023-11-05
2023-11-04
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