藤浪、恩返し投 掛布2軍監督の花道作った「ふがいない投球できない」5回1失点

藤浪(右)の右肩に左手を乗せ話しかける掛布2軍監督 
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 「ウエスタン、阪神16-4広島」(28日、甲子園球場)

 阪神の先発・藤浪が、掛布2軍監督の花道を作り上げた。恐れることなく、最速155キロの直球で勝負を挑む。5回を4安打1失点(自責点0)、与四球1で奪三振6は上々の出来だ。背番号31がタクトを振る最後の試合で光が差し込んだ。

 「掛布さんの最後の試合だったので、ふがいない投球はできないと思っていました」

 燃えていた。初回を三者凡退に斬ると、右腕はさらに表情を引き締めた。三回2死一、三塁のピンチは、エルドレッドに全球真っすぐ勝負。4球目、154キロで見逃し三振に仕留めると、ベンチでミスタータイガースに笑顔で迎えてもらった。

 成績不振で初の登録抹消となった5月27日。指揮官の言葉でフッと肩の力が抜けた。「自分は考え過ぎるタイプなんですけど『気楽にいけよ』と。そういうことを言っていただき、またそういう空気を作っていただいてありがたかったです」。だからこそ、この日の投球には力が入った。

 掛布監督も「今日、一番良かったのは藤浪のバランスが良かったことですね」と感慨深げに振り返った。次回は10月5、6日の2軍練習試合に向かう見通しだが、同日の1軍戦に登板する可能性もある。悩み、苦しんだシーズンも未来の糧にしてみせる。それが、恩返しへと続く道だ。

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