掛布2軍監督 甲子園で最後のインタビュー「ちょっと優しい監督だったかも」

花束を手に歓声に応える阪神・掛布雅之2軍監督=甲子園
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 「ウエスタン、阪神16-4広島」(28日、甲子園球場)

 今季限りで退任を発表している阪神・掛布雅之2軍監督が、ウエスタン最終戦後に大勢のファンの前で別れのインタビューを受けた。一問一答は以下の通り。

 -背番号31のタテジマに身を包んで指揮を執った2年間、今日で一区切りとなった。

 「ちょっと短かったかな。ただ若い選手たちが確実に力は付けていると思う。1軍での活躍もかなりしてくれた。ある程度の成果はあったのかな。非常に濃い2年間だった」

 -就任時の気持ちは。

 「もう60でしたからね。かなり今の子どもたちとは世代も違うので、ギャップを埋められるかという不安はあったが、意外に根が明るく若い方なので今の子どもたちとはしゃべりも合いますし、すんなりと入れた。僕自身があまり上から選手を見て野球を指導することは絶対してはいけないと思っている。僕がハードルをくぐるような形で選手に目線を合わせ、選手と同じ気持ちになって同じ汗をかいて野球をやらなければならないという気持ちがあったので、ちょっと優しい監督だったかもしれません」

 -2年間、指揮を執ってやりがい、楽しさは。

 「若い選手が1軍で活躍してくれる姿を見たときの感動は忘れられません。一番の感動は狩野が、かなりユニホームを脱ぐ気持ちになったときにDCという形で2軍のお手伝いするようになった。その狩野が巨人戦で1本のホームランを含む3安打した。そのとき狩野が『掛布さんに恥をかかせられない。絶対打ってきます』とそう言ってくれたホームラン。あと原口が育成という3桁の背番号を付けて残留で一人黙々とバットを振る姿、僕にいろいろなことを貪欲に聞いてくる原口が山田コーチの背番号を付けて(ユニホームを着て)打ったあのサヨナラヒットを忘れられません」

 -育てた選手が1軍で活躍する姿が多くなった。

 「ほとんどの選手が(2軍に)落ちてきましたのでね、それがちょっとさみしいかな。もうちょっと力を付けなさいと言ってあげたい。1軍で経験したことは無駄にはならないので、自分に何が足らないのか、何をすべきなのかを北條たちも分かっていると思う。そういう意味ではこれからの北條っていうのは非常に期待していいと思いますね」

 -どんな2年間だった。

 「僕を若返らしてくれた2年間だったかもしれません。これから年を取るかもしれません」

 -甲子園、鳴尾浜に多くのファンが集まった。タイガースファンの存在は。

 「現役のころから非常に熱い声援を僕の31番に送っていただいたファンに感謝しています。われわれ2軍というのは育成の場ですから、ホームグラウンドは鳴尾浜。その鳴尾浜に連日大勢のファンが足を運んでいただきまして素晴らしい舞台を作ってくれた。年に10数試合、甲子園でやらしてもらうんですが、今日もいっぱいのファンの方が甲子園に足を運んでいただきました。素晴らしい舞台を作ってくれたことが、若い選手が伸びた結果だと思います。われわれ指導者の結果ではなく、ファンの目が若い選手を育ててくれた。感謝しています」

 -最後に阪神ファン、掛布ファンに一言。

 「まだ1軍は厳しいクライマックスシリーズの戦いが残っておりますし、日本一にならなければいけないシーズンだと思います。私はここで一度ユニホームを脱ぎますけど、ファンの方たちは残り少ないシーズンですけども、1軍の野球に注目してもらって1軍の野球に熱い声援を送っていただきたい。ここにいる選手たちも一人だけでもいいからクライマックスシリーズ、日本シリーズを経験して来年の野球を迎えてほしい。そいいう意味ではファンの声援に感謝している。本当に2年間、ありがとうございました」

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