メッセ来日8年目1号!高校時代は4番打者、打って投げて独壇場

 「ヤクルト0-5阪神」(23日、神宮球場)

 打ってよし!投げてよし!阪神のランディ・メッセンジャー投手(35)が文句なしのヒーローだ。三回、来日初本塁打となる先制の右越えソロ。投げては8回無失点でリーグトップタイの10勝目。バッキー(62~68年在籍)を抜き、球団外国人史上最多6度目の2桁勝利をマークした。チームは最下位ヤクルトとの3連戦に勝ち越し、25日からは眼下の敵、3位・DeNAを甲子園に迎え撃つ。

 バットとボールの衝撃音は、次に一瞬の静寂を生んだ。悲鳴と驚嘆が交錯する右翼スタンド。放物線を描くメッセンジャーの打球は、フェンスを越えた。来日8年目での1号が決勝点となり、2年連続6度目の2桁勝利を達成。“最強助っ人”の称号に自ら花を添えた。

 ハイライトは0-0の三回だ。投手戦の様相を呈す中でカウント1-1から3球目。フルスイングした大飛球は、右翼ポールわずか右に切れた。ファウル、ボールと続いて6球目。141キロのカットボールを狙った。打ち直しの一発。来日8年、432打席目で初本塁打だ。

 「好き」な打撃練習は、登板間のルーティンだ。本拠地では通常メニューを消化後、室内練習場に移動。誰もいない場所で1人、黙々と打撃マシンと向き合う。バッテリー間の18・44メートルから、半分の距離で速球に対応する打撃を磨いた。努力が結実した待望の一発だ。

 「間違いなく風だと思うけど。気持ちよかった。多くのファンの前で1本打てて本当によかったよ」。高校時代は遊撃、三塁を守って打順は4番だった。「1シーズンで本塁打を10本打ったこともあるよ」。使用する小さなグラブは、内野手時代のなごりでもある。

 驚いた一方、本職の投球は回を追うごとに勢いを増した。最大のピンチは1点リードの六回。2死から右前打と四球で一、二塁とした。打席に5番・リベロ。フルカウントから内角の直球でバットを折った。遊ゴロに抑えて脱出。5安打12三振で今季4度目、通算23度目の2桁奪三振だ。

 昨季は2戦1敗、防御率7・27と苦手にした神宮球場。香田投手コーチの助言で登板前の練習場所を変えた。サブ球場で行うアップをメーン球場に。より本番に近い形で気持ちを高め、通算6度目の2桁勝利につなげた。郭泰源(西武)に並ぶ外国人史上最多タイ。球団では肩を並べていたバッキーを超えた。

 「9勝で止まった年(15年)があって、彼の記録を知ったんだ。悔しい思いをした。達成できてよかったよ」

 5戦連続の中5日登板。次回も同様の間隔が見込まれる。首位・広島も勝ってゲーム差は9のままだが、エースのフル回転で奇跡への扉をこじ開けていく。シーズンは残り58試合。逆転優勝を信じる戦いは、まだ終わらない。記録と記憶に残る助っ人が終わらせない。

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