阪神・原口、今季初マスク 代打で右前打から2カ月ぶり捕手も落ち着いてこなす
「巨人9-7阪神」(10日・東京ドーム)
球場のコールに左翼席から三塁側の阪神ファンが沸いた。八回裏、今季初めてマスクをかぶった原口。代打で右前打を放ち、ベンチに戻ると捕手での出場を命じられた。
「戻ってきたらすぐ言われました。特別な感情とかはなかったですけど、ちょっと驚いたくらいです」と原口。キャンプ最終日に一塁コンバートを告げられてから以降は、試合前練習でキャッチャーミットを手にすることはなかった。「自分の中では切り替えました」。キャンプ後にはそう語っていた。
ただ首脳陣は開幕ロから梅野、岡崎と捕手2人体制を敷いた。有事の場合には原口を“第3捕手”として起用するオプションをあたためていた。それを実行に移したのがこの日。一方的なビハインドゲームから六回に一挙4点を奪い、勝負の行方は完全に分からなくなった。
八回に9番・高橋の代打で登場した原口は右前打を放ち、出塁。3点を追う九回の攻撃が3番から始まることで、再度、好機で9番へ回ってくる可能性があった。代打の陣容を踏まえ、逆転するためにはその打力を残しておきたかった。
岩崎とバッテリーを組んだ八回裏、原口は2カ月のブランクを感じさせない落ち着いたキャッチングを見せた。三者凡退に仕留め「今日は特に自分が何かをすることもなかったんで。岩崎がいい投球をしてくれました」と言う。結果的に、最終回に打順が回ることはなかったが、今後、チームとして新たな可能性を見い出す一手だ。
金本監督は「こういうこともあるよという、備えとして」と語った。「自分は結果が求められる立場なので。しっかり結果を出せたことは良かったと思います」と力を込めた原口。今後、シーズンを戦っていく上でさまざまな局面が考えられる。連勝は6で止まったが、新たな可能性を見いだせる一敗だった。