高山V打!お待たせ今季初タイムリー 長かった…開幕から49打席目

 「DeNA1-4阪神」(13日、横浜スタジアム)

 がむしゃらに振り、最高の結果が生まれた。今季49打席目で初の適時打は、試合を決める右前タイムリー。「なんとしても打ってやろうと思っていました」。阪神・高山俊外野手(23)の頬が少しだけ緩んだ。何よりも欲しい、勝利を手にした喜びだった。

 1-1の九回1死二、三塁。下位打線で紡いだチャンスを前に、心が奮い立った。初球は山崎康が投じた高めの147キロ直球に空振り。指1本分バットを短く持ち替え、内角の厳しい直球を振り抜いた。打球は詰まりながらも右前に落ち、三走・糸原が勝ち越しのホームを踏んだ。プライドをかなぐり捨てて、放った殊勲の一打だった。

 「外野フライでも1点が入る場面だったので、『なんとか』という気持ちでした。それだけでした」

 最近3試合は11打数2安打、打率・182。打撃練習では、テークバック時に右肩が捕手方向へ入り過ぎる悪癖を修正する毎日だ。片岡打撃コーチは「より高いレベルを目指している」と説明。苦しくても、前を向いて進んでいくしかない。今は泥にまみれた高校時代のように、ただひたすらに白球を追いかける。

 「ものすごく練習する選手ばかりで、『もっとやらないといけない』と思いましたね」

 日大三の門をくぐった15歳の時、野球に対する考え方が少し変わった。四六時中、どうすればレギュラーを奪えるのかを考えた。来る日も来る日もバットを振り、深夜まで野球と向き合った。プロになった今も、その気持ちは忘れていない。

 今春、センバツに出場した母校の宿舎へ激励に訪れた。打撃用手袋30セットとともに、送った言葉は「甲子園は人生で何回も味わえる所じゃない。楽しんでこい!」。努力の大切さを学んだ青春時代。高校球児の澄んだ瞳を見て、原点に立ち返った。

 金本監督は「何より、あの場面で打てるのが打者の価値」と、この日の一打に賛辞を贈った。高山が完全復調すれば、猛虎打線の厚みはさらに増す。手に残る感触を頼りに、また全力でスイングする。

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