糸井よ打たないで “恩師”DeNA高田GM&ラミ監督からお願い
阪神・糸井嘉男外野手(35)が11日、2人の“恩師”から「打つな指令」を受けた。この日のDeNA戦は雨天中止となり、横浜スタジアムの室内練習場で調整。思わぬ珍要求も意に介さず、猛打爆発で虎を勝利へ導く。
突然の再会だった。フリー打撃中の室内。DeNA・高田GMから「あんまり打たないでくれよ」と声をかけられた。その瞬間、投手から野手に転向した日本ハム時代の記憶がよみがえる。当時、日本ハムのGMを務めていた“恩師”には、お世話になった思いが強い。
「お会いできて良かったです」
練習後、球場内の駐車場を歩いていると今度はラミレス監督と遭遇。あいさつを交わし、「来週から頑張って!」と日本語で珍エールを送られた。頼むから、横浜では静かに眠っていて-。恩人からの言葉に、糸井はオリックス時代を思い出していた。
「よく早出(練習)に付き合ってもらいました」
ラミレス監督が、オリックスの巡回アドバイザーを務めていた15年。NPB通算2017安打の技術を肌で感じ、何度も意見を交わした。かけがえのない時間を思い返し、次戦からの活力に変える。今はタイガースのためにまい進するだけだ。
金本監督は「安定して四球も選んでいるし、相手は嫌だと思うね」と糸井の打撃状態に太鼓判を押す。「まだ膝に不安があるみたい。暖かくなって足の不安もなければどんどん走ればいい」と盗塁については慎重な姿勢を見せるが、信頼して送り出している。
現在、開幕から8試合で打率・370、3本塁打、10打点と絶好調だ。横浜で見せる「阪神・糸井」としての活躍は、大きな意味を持つ。打ってこそ、尊敬する2人への恩返し。球界最高峰のプレーで、成長を見せつける。