糸井、初守備完璧 膝大丈夫や!低めライナーをかばう様子なく処理

 「オープン戦、DeNA0-1阪神」(18日、横浜スタジアム)

 右膝関節炎で調整が遅れていた阪神の糸井嘉男外野手(35)が初めて実戦で守備に就き、華麗な動きを披露した。「3番・中堅」でスタメン出場し、二回にはロペスのライナー性の打球をランニングキャッチ。試合後も患部に問題はない様子で、開幕へ向けて順調に段階を踏んでいることをアピールした。

 一歩、一歩、糸井のストライドは大きくなっていった。草原で獲物を捉えるチーターのように、トップスピードで飛んできた白球をグラブに収めた。移籍後初めての守備機会。本人は冷静に「怖かった~」と振り返る。

 場面は二回。先頭のロペスが放った打球はライナーで中堅左を襲った。やや詰まり気味でラインドライブがかかったような打球。糸井は守備位置から最短距離でボールにたどり着いてキャッチ。打球に対する一歩目の反応、そして捕球する際の足取り-。キャンプからリハビリに付き添う本屋敷トレーナーは「膝に一番怖かった打球ですが、あれで問題なかった」と言う。

 キャンプ前に発症した右膝関節炎。最後に沈み込むような軌道を描くラインドライブの打球は、キャッチする瞬間、膝の動きが重要になる。だが最後の一歩を低くグッと踏み込む際に違和感はなかった。恐怖心も感じられなかった。中村外野守備走塁コーチは「ああいう打球が飛んでくれて良かった。低い打球が飛んでくれて、かばう様子もなくて安心した」と目を細める。

 「守備に就けて、打球の処理ができて良かったです」と糸井。打球の処理以外にも開幕へ向けた準備を怠っていない。外野の中心を守る者として右翼・中谷、左翼・高山と意思疎通を図り、距離感やポジショニングを確認。右中間寄り、左中間寄りと守備位置を変えながらボールが飛んでくるのを待っていた。

 06年、日本ハム時代に投手から野手へ転向した際、新庄、稲葉、森本の外野陣は「鉄壁」と称されていた。内野で円陣が組まれた時には外野陣の3選手もセンターの位置に集合するなど、抜群の連係を伴った高い守備力は日本一に輝く要因にもなった。

 以前「あの時はすごい選手がいっぱいいて、勉強になりました」と語っていた糸井。セ・リーグ本拠地での移籍後初守備をクリアし、「違和感はなかった?はい」と開幕へ順調な様子だ。守備に対する高い意識、そして準備の仕方-。それは間違いなく、福留とともに若手の“教科書”になる。

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