「オープン戦、阪神５－３オリックス」（１４日、京セラドーム大阪）

　阪神の高山俊外野手（２３）が２年目の進化を示した。二回にオリックスのディクソンからバックスクリーン左へ、２試合ぶりとなるオープン戦２号２ラン。力強いスイングで見せつけた長打力。新人王を獲得した昨季から一回り成長した若虎が、すごみを増した打撃でチームを引っ張る。

　悠然とダイヤモンドを一周した。中堅左へ放った価値ある一発。会心の一打に高山も納得だ。「うまく前で打てたのもありますし、引っかけずに向こう（逆方向）に打てたのはよかった」。今季オープン戦２号となる２ラン。開幕目前に、２年目の進化が見えた。

　二回、２－０となってなおも２死二塁。オリックス先発・ディクソンの投じた外角に逃げるチェンジアップを捉えた。オフから追い求めてきたインサイドアウトのスイング。「素直にバットを出さないとああいう打球は飛ばない」。伸びた打球は勢いを失うことなく、フェンスを越えた。

　一回の第１打席にも外角の球を素直に中前にはじき返した。この日はマルチ安打を記録。これでオープン戦全８試合に出場して打率・３４３と、好調を維持している。片岡打撃コーチは「あそこに打てたのは自信にもなったんじゃないかな。バットの出し方もよかったし、見逃し方もよかった」と高評価した。

　２年目にして意識にも変化がうかがえる。「休み明けはエース級のピッチャーと対戦することが多い。そういうときに打てることに越したことはない」。チームの勝利が絶対優先。各チームの主戦級を打って３連戦を勢いづけたい。この日を含めて試合がなかった翌日の試合は２３打数１０安打、２本塁打。常にレベルの高い部分を意識して臨んでいる若虎は「これからも継続していきたい」とシーズンを見据える。

　昨季は新人王を獲得する活躍をみせながら、勉強の１年だった。各チームの好打者たちを間近に見て、勉強していた。「僕が言えるようなことではないけど…。本当にプロの世界はいいバッターが多い。そのいいところを見ている」。シーズン中でも、各打者の参考になる部分があれば頭に入れる。取捨選択しながら、引き出しを増やしていった。

　主軸打者として期待される２年目。確かな成長をバットで示している高山。今季はチームの中心として、Ｖ奪回の期待を背中に背負う。