ドラ1白鴎大・大山、タイブレークで神宮逃す 虎で雪辱日本一だ

 「関東地区大学野球選手権・2回戦、中央学院大6-4白鴎大」(1日、横浜スタジアム)

 阪神がドラフト1位指名した大山悠輔内野手(21)=白鴎大=が1日、関東地区大学野球選手権大会2回戦・中央学院大戦(横浜スタジアム)に「3番・三塁」で先発出場。延長十回タイブレークの先頭で空振り三振を喫し、後続も倒れて明治神宮大会への出場を断たれた。学生野球の幕は下りたが、プロへの道は続く。果たせなかった日本一の夢は、虎で成就させてみせる。

 小春日和の港町で繰り広げられた3時間超の激闘。シーソーゲームは九回で決着がつかず、1死満塁からスタートするタイブレーク方式の延長戦に突入した。黒宮監督から「任せたぞ」と背中を押され、大山がゆっくりと打席に入る。カウント2-2。低めのボール球に、思いを込めたバットは空を切った。

 「自分がなんとか、と思っていたんですけど…。悔しいです。本当に感謝しかないというか、支えてくれた人に『ありがとう』という気持ちだけです」

 後続も倒れ、学生野球の終わりが告げられた。11日に開幕する明治神宮大会、日本一への夢がついえた瞬間。だが、大山は真っ赤に充血した目ではっきりとプロへの意気込みを語った。悲願の日本一は、阪神で果たす。

 「野球をやってきて、今まで日本一になったことはありません。なんとか目指していきたいですし、プロの世界では勝てるようにやっていきたいです」

 この日は三回に右前打を放ったが、相手バッテリーに警戒されて3四球と勝負を避けられる場面もあった。10月31日の1回戦・横浜商科大戦は逆転2ランを放つなど、自慢の打撃が好調だっただけに悔しさは募る。「もっともっとレベルアップしていかないと、上では通用しないと思います」。後ろを振り向いている時間など、ない。

 金本監督は来春の1軍キャンプの切符を用意している。大山は「そこに照準を合わせて、しっかり気持ちをつくっていきたいと思います」と前を向いた。「この4年間が自分の人生を変えてくれました。白鴎大に来ていなかったら今の自分はいないと思います」。だから屈辱にまみれた最終打席も、今後の糧にしなければいけない。

 実は、今大会の前からチーム全員で「タイブレークになった時の先頭打者は大山にしよう」と決められていたという。タイガースで日本一を勝ち取り、みんなに恩返ししたい。「結果を出すしかないと思います」。充血した目から、最後まで涙が落ちることはなかった。

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