狩野スタメンに燃えた!青柳援護3ラン

 「交流戦、楽天3-5阪神」(1日、コボスタ宮城)

 ルーキー右腕を強力に援護する貴重な一撃。杜の都に、美しい放物線が描かれた。肌寒い風が一気に熱を帯びる。阪神・狩野恵輔外野手はゆっくりとダイヤモンドを回り、一塁側ベンチ前で祝福のハイタッチを繰り返した。その後、広報を通じて興奮冷めやらぬ気持ちを言葉にする。

 「青柳が一生懸命投げている姿を後ろから見ているので、なんとか青柳のためにという気持ちがありました。打ててよかったです」

 場面は1-0の四回1死一、二塁。リズの内角シュートに対してうまく腕をたたみ、完璧に捉えた。今季1号3ランは、15年8月13日・中日戦(京セラドーム)以来となる一発。楽天戦、またコボスタ宮城では初の本塁打だった。プロ16年目、チーム野手最古参の執念がバットに宿っていた。

 二回無死二塁の好機では、変化球を右前へ技ありの一打。「1打席目にも安打を打っていたので、いいイメージを持って打席に入れました」。準備は万全だった。金本監督は「先発が球の速い投手と聞いていた。彼はそれに負けない強さがあるので」と5番起用の意図を説明。「そこを期待して使ったら結果を残してくれた」と手放しで褒め称えた。

 今年1月、自主トレ先の淡路島で5年目・西田に自身の「生きざま」を伝えた。故障を経験し、育成選手として苦杯をなめ続けた時期もある。全てが、今になって生きている。

 「プロである以上、どんな時も諦めてはいけない。スタメンでも代打でも、最高の準備をしないとな」

 昨季は66試合に出場して打率・274、3本塁打、13打点。負傷離脱していた「代打の神様」関本(現野球評論家)の代役を務め、殊勲打4本と獅子奮迅の働きを見せた。プロ16年で得た経験を後輩に伝える。狩野は「超変革」を目指すチームに、欠かせない。

 七回に左翼後方のフライを落球(記録は適時二塁打)し、試合後は「うれしさ半減…」と言葉少な。まだ、努力しなければいけないことはたくさんある。若虎が脚光を浴びる16年版タイガースの中で、狩野がしっかりとその土台を支えている。

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