狩野、背水覚悟「恐怖がときに力に」

 阪神・狩野恵輔外野手(33)が16日、兵庫・淡路島で清水誉捕手(31)、西田直斗内野手(22)とともに自主トレを公開した。昨季は代打稼業で際立ち、大幅な年俸増を勝ち取ったが、プロ16年目シーズンを「背水」ととらえる。毎年隣り合わせという「恐怖」が反骨心に火をつけ、狩野の精神力を強靱(きょうじん)にする。

 吸い込まれそうな晴天の下、狩野は一心不乱にバットを振った。清水、西田を率い、初めて自主トレ拠点に選んだ淡路島で、朝9時から夕方5時まで密度の濃い時間を過ごしている。10年の椎間板ヘルニア手術、12年の育成契約を乗り越えた雑草男は代打稼業で輝かしく復活を遂げたが、眼光の鋭さは憂き目を味わった背番号3ケタの頃と変わらない。プロ16年目。阪神野手最古参の野武士が16年シーズンへ、背水の陣で立ち向かう決意を明かした。

 「僕らレギュラーじゃない人間は、ケガすれば終わる、成績を残せなければ終わる…そういう恐怖をずっと感じている。レギュラーならケガしても来年があるかもしれないけど、僕らは1年、1年が勝負。厳しい世界にずっと身を置いていることは分かっているつもり。恐怖がときに力になったりもする」

 新しい年の目標はシンプルに「去年を上回ること」。昨季は66試合出場で打率・274、3本塁打、13打点。代打を主戦場に4本の殊勲打を放つなど抜群の印象度を放ち契約交渉で1300万円増を勝ち取った。ここぞで打ってなんぼ-現役時代の金本監督の信念に習い、今年も価値ある一打に執念を燃やす。

 「相手投手と勝負し、チーム内で勝負し、自分自身と勝負し、どうにか全て勝っていきたい」。過去に戦力外がチラつき「やけくそにならないと重圧に負けそうだった」と捨て身で開き直った年もある。恐怖心を凌駕(りょうが)する狩野の精神力は年輪を重ねるごとにたくましくなる。

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