藤浪価値ある“復肩”粘った7回1失点

 「DeNA2-3阪神」(13日、横浜スタジアム)

 立ち姿が美しい。左足を上げた瞬間、背筋はピンと伸びる。右足は軸となり、スムーズな体重移動を可能にした。ボールを放すリリースも安定。阪神・藤浪晋太郎投手が上からたたく、本来の感覚を取り戻した。

 「全体的にバランスが良かったので、思い通りの球が多く投げられました。バランスがいいから力も抜けていた。先制点を与えてしまった反省はありますが、次につながる投球ができたと思います」

 二回、内野の拙守が重なり先制点を許したが、三回以降は全く、危なげなかった。7回を投げ3安打1失点。2四球、わずか90の球数が安定を物語る。直球は今季最速155キロをマークし、150キロ超えを連発した。カットボールは「空振りが取れた。自分の思うイメージに近かった」、ツーシームも「精度が上がってきたので、積極的に使うことができた」。帰りの通路、右手に残る感触をかみしめるように言った。

 先発予定だった10日・巨人戦(甲子園)が雨天中止となり、中9日でこの日を迎えた。その間、通常より多い2度のブルペン入り。香田、金村両投手コーチの指導に耳を傾け、投球フォームの修正に取り組んできた。効果はてきめん。エースの復調に指揮官も、興奮気味に声を弾ませる。

 「足を上げたときに上体の安定感をすごく感じてね。コントロールつくんだろうなというイメージでね。前回は足を上げた瞬間にどこにいくんだろうという感じだったけど。今年で球も一番良かったように見えたし、次が楽しみだね、これは。やっと『晋太郎ボール』が見れたかなという」

 開幕から1カ月半、藤浪がようやく輝きを放った。惜しくも今季4勝目はお預けとなったが、収穫たっぷり。歓喜の瞬間は間もなく訪れるはずだ。

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