球児3回5失点KO…次戦が“正念場”

 「阪神6-10ヤクルト」(7日、甲子園球場)

 阪神・藤川球児投手が、聖地・甲子園のマウンドに沈んだ。今季5試合目の先発登板で、今季自身最短の3回で5安打5失点KO。天を仰ぎ、ベンチへと下がっていく。黄色く染まったスタンドから、悲鳴にも似た声が聞こえた。

 「結果が全てなので。結果が悪かったですね…」

 初回、先頭の坂口をいきなり歩かせると1死後、山田に再び四球。コースを突こうと大事に投じた直球が、自身の首を絞める。続く4番・バレンティンに、甘く入った140キロをバックスクリーン左へ豪快に運ばれた。3点を献上すると、三回には雄平にも2ランを被弾。ここまでだった。

 開幕ローテに入ったが不安定な投球が続き、4月14日に出場選手登録抹消。鳴尾浜でセットポジションでの制球を見直し、30日に再び1軍の舞台へと戻ってきた。同日のDeNA戦(甲子園)は6回2/3を1失点。今季2勝目に向けて「頑張ります」と意気込み、臨んだ大事なマウンドだったが、崩れてしまった。

 金本監督は「球自体は悪いように見えないんだけどね」と一定の評価を与えた。その上で「コントロールが少し。そこでカウントを悪くして、(ストライクを)取りにいったところを打たれているというイメージだから」と続けた。球児の本当の実力はこんなものではない。だからもう一度、チャンスを与える。

 香田投手コーチも「ちょっと大事にいきすぎたところがあったかな。もっと大胆にいってほしかったね」と注文を付けつつ、次回については「(チャンス)あるよ。抹消はしません」と明言した。登板間隔を空ける可能性もあるが「それはここでは言えない」。14日・DeNA戦(横浜)か、それともその次の週か…。いずれにしても、次のマウンドは先発・球児にとって正念場となるだろう。

 15年オフ、再び縦じまに袖を通した。「僕がタイガースに戻った一番(の理由)は、パレードがしたい」。日本一を達成し、多くの阪神ファンと喜びを分かち合いたい-。心に宿る熱い闘争心。藤川球児が、このまま終わるわけにはいかない。

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