高山、不敗神話弾 金本監督メスに即答

 「広島2-6阪神」(24日、マツダスタジアム)

 新人となめてかかる相手チームは、もはやいない。阪神のドラフト1位・高山俊外野手(23)=明大=が、一発を含む2安打3打点。二回に左前適時打、2-1の五回には2号2ランを放って勝負の流れを引き寄せた。高山が打点を挙げた試合は8戦負けなし。不敗神話継続でチームは3位へと浮上した。

 乾いた打球音とともに、カープファンの悲鳴が響き渡る。「完璧でしたね」。自画自賛の今季2号2ランは、右翼席中段に飛び込む完璧な一撃だった。高山はゆっくりとダイヤモンド回り、ベンチ前の列に向かう。猛虎ナインは、笑顔で黄金ルーキーを出迎えた。

 「能見さんのあのような姿を見て『自分も続かないと』という思いだった。甘いボールがきて、しっかり捉えられたので予想以上の結果になってくれた」

 2-1の五回、先頭の能見が左前打で出塁すると気持ちは高ぶった。初球のカットボールをフルスイングし、打球は一直線に右翼スタンドへ。3月31日・ヤクルト戦(神宮)以来、19試合ぶりの一発。二回2死一、二塁では左前適時打を放ち、この日は3打点だ。

 試合前、金本監督から「遠心力だけじゃなしにバットを出すという作業を入れれば、もう少し強く打てる」と内角打ちのメスが入れられたが即答。やはり並の新人ではない。指揮官はこの日の一発に「あれは大きかったね、やっぱり」と惜しみなく賛辞を贈った。

 右手首のリハビリから始まった1年目シーズン。周囲からの期待が、プレッシャーになることもあるだろう。だが、後ろ向きな言葉を発することはない。常に前向きで表情もほとんど変わらない。ただ、家族の前では普通の23歳の青年だった。

 2軍キャンプ第4クール。母・由美子さんと妹・遥加さんが、実家の千葉からはるばる高知にやってきた。高山はすぐさま安芸市内の寿司屋を予約。「体はしんどいけど、頑張ってるよ」。久々に心が安らいだ。家族との時間が心地いい。会計になると、自然と自身の財布を開いていた。

 由美子さんがお金を出そうとすると「俺が出すよ」と高山。「いや、お母さんが出すよ!」と由美子さん。それでも「いいから出すよ!」と譲らない。人生で初めて家族をごちそうした。感謝を形にしたかった。初任給で家族へ恩返しをする-。社会人1年目の普通の青年と同じように、高山も新たな一歩を踏み出していた。

 背番号9が打点をたたき出すと、チームは7勝1分けで8戦負けなし。もはや欠かすことのできない存在だ。世代屈指のバットマンが猛虎を支えている。恐れるものは、何もない。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

タイガース最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス