マテオ1回0封!縦横2種類スラ魅せた

 「阪神紅白戦、白組4-0紅組」(14日、宜野座)

 阪神のマルコス・マテオ投手(31)=前パドレス=が、紅白戦の白組の3番手として、実戦初登板を果たした。最速151キロの直球のほか、縦横2種類のスライダーも披露し、1回を1安打無失点。守護神候補の名に恥じないピッチングで、他球団のスコアラーも一様に警戒の言葉を並べた。

 打者4人に11球。それだけの短い時間だったが“自己紹介”には十分だった。白組のマテオは四回からマウンドに上がると、先頭の新井良をまずは空振り三振。2死から梅野に中前打を許したが、横田を三ゴロに切って取った。

 1回1安打無失点という結果よりも、最速151キロを記録したスピード、コントロール、ボールのキレといった部分で、いずれもハイレベルなものを見せつけた。この日の投球については「すごい満足している」と表情も変えずあっさり。「米国でも日本人選手と対戦したことがあるけど、きょうは自信になった」と続けた。

 特にチーム内外から注目を集めたのが、スリークオーター気味のフォームから投じる縦横2種類のスライダーだ。新井良を仕留めたのは、縦に曲がるタイプ。両方とも左打者に投げることはなかったが「右にも左にも常に一緒と考えている」と頼もしい言葉だ。

 ライバル球団の007たちも、一様に警戒を深めた。ヤクルト・西沢スコアラーは「きょうと同じ投球をされたら難しい。全部いいコースに来ていた」と困り顔。広島・玉山スコアラーも「横から角度が付いていた。打つのは難しそう」と分析し、巨人・樽見スコアラーは「右は相当やっかい。要警戒ですね」と早くもブラックリストに入れた。

 そして、味方である大打者からは最大級の賛辞を贈られた。金本監督は「あまり見たことがないスライダー。あんな高速な横滑りは(過去に)いないかな」と絶賛。通算2539安打の鉄人すら、すっかりとりこにしてしまった。

 左打者との駆け引きやクイック、けん制などまだまだ未知数の部分もあるが、それを差し引いても今後の大活躍を十分に感じさせる圧巻のパフォーマンス。周囲の熱狂ぶりとは対照的に、守護神候補としての株を大いに上げた助っ人は「急がずに落ち着いてプレーできている。それを続けていきたい」と最後まで冷静だった。

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