植田、稼頭央になれる!久慈コーチ絶賛

 守備練習で大声を出す植田(中央)。左は北條、右は森越(撮影・田中太一)
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 「阪神秋季キャンプ」(9日、安芸)

 阪神・植田海内野手(19)が9日、高知県安芸市の秋季キャンプに合流。特守で久慈照嘉内野守備走塁コーチ(46)の熱血ノックを軽快にさばき、得意の守備で猛アピールした。目指すはゴールデングラブ賞4度の名手、楽天・松井稼頭央外野手(40)。50メートル5秒8の俊足を生かしたフィールディングで、1軍定着へ名乗りを上げる。

 不安そうな植田の面持ちが守備練習で一変した。ボールまでのチャージの速さ、送球の安定感。プロに入る前からずっとこだわり続けてきたフィールディング。「緊張で疲れましたね」。持っているものを全て出し切れたかどうかはわからない。ただ、その一つ一つの動きは1軍首脳陣の目にしっかりと焼き付いていた。

 前日に緊急招集され、この日は全体練習のフルメニューを消化。特守ではボールの持ち替えを意識しながら、久慈内野守備走塁コーチのノックで汗を流した。合流初日ということを考慮され、前半が終わった時点で植田は終了。「まだまだです」と納得のいかないプレーもあったが、久慈コーチは高い守備力に目を細めていた。

 「足が速いのは武器。松井稼頭央みたいなスピードがある遊撃手になれる可能性はあると思うよ。現時点で言うのは失礼だけど。併殺も上手だし可能性はあるんじゃないかな」

 ゴールデングラブ賞4度の名手にその姿を重ねていた。「守備もできれば戦力にもなるよね」。粗削りの部分は多いが、高い身体能力をフルに活用できる守備には魅力が詰まっている。来季35歳を迎える鳥谷の後継者としても楽しみな存在だ。植田は「もっともっと上の選手になれるように頑張りたいです」と目を輝かせた。

 一方、バットには物足りなさが残る。この日のフリー打撃では、56スイングで外野の頭を越えた打球はゼロ。この1年間は掛布DC(現2軍監督)の指導を受け、強化に努めてきた。ミスタータイガースも現役時代に意識を置いていた、トップを深くつくる「弓矢打法」。完成には遠いが、高代ヘッドコーチが「実戦向きと聞いている」と話すように、今季の2軍戦では勝負強い一面も見せていた。

 「緊張感を持ってしっかり練習に取り組めたと思います」。充実の表情を浮かべながら、午後5時過ぎに球場を後にした植田。金本監督も期待する19歳は、「変革」を掲げる新生タイガースにとって一筋の大きな光だ。

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