上本が意地弾、2戦連続打点
「阪神4-8ヤクルト」(29日、甲子園)
阪神・上本らしい一発だった。6点差の九回2死三塁。フルカウントから徳山の6球目、低めの142キロ直球を捉えるとリストを利かせてレフトスタンド中段まで運ぶ2ランにしてみせた。これが自身、7月4日・DeNA戦(横浜)以来の一発。甲子園となれば、2013年10月5日・巨人戦以来、2年ぶりという快打となった。
久々のベース一周だったが、うつむきながら走った。敗戦の中にあって、もちろん笑顔などない。感触を問われても「ホームランバッターじゃないので感触とかよく分からない」と素っ気なく答えるのみ。ならば、明日につながる一発になったのではとふってみても「それは関係ないです」とクラブハウスへの道のりを急ぐだけだった。
一発だけでない。初回にはきっちり犠打を決め先制点につなげた。2打数1安打2打点に2犠打。前日は2安打1打点。左上前腸骨棘(こつきょく)の亀裂骨折からスタメンに復帰し、2試合でいずれも結果を残した。
ただ、首位を走るチームに戻った以上、求めるのは、自身の結果以上に勝利。勝っても浮かれることはないし、負ければなおさらだ。上本は悲願達成までひたむきに取り組み続けるだけだ。